岡山県議会 > 2008-03-04 >
03月04日-04号

  • "実証実験"(/)
ツイート シェア
  1. 岡山県議会 2008-03-04
    03月04日-04号


    取得元: 岡山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-10
    平成20年 2月定例会          ◎ 平成20年2月岡山県議会定例会会議録  第4号〇 平成20年3月4日(火曜日)                  議  事  日  程                  午前10時30分開議第1 議第124号~議第143号(上程,知事の提案理由の説明)第2 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                  本日の会議に付した事件日程第1 議第124号~議第143号(上程,知事の提案理由の説明)日程第2 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        午前10時30分開議 ○議長(天野学君)  皆さん,おはようございます。 ただいまより本日の会議を開きます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 議第124号~議第143号(上程,知事の提案理由の説明) ○議長(天野学君)  日程に入ります。 まず,議第124号平成19年度岡山県一般会計補正予算(第6号)から議第143号岡山県立学校施設整備基金条例まで20件を一括議題といたします。 知事から,提案理由の説明を求めます。 石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  ただいま追加上程されました諸議案につきまして,その概要を御説明申し上げます。 まず,予算案件についてでありますが,国の補正や事業費の確定に伴うものについて,それぞれ所要の補正措置を講じることとしております。 その結果,今回の補正予算額は,一般会計において68億8,500余万円の減額,特別会計において4億600余万円の増額,合わせて64億7,800余万円の減額,企業会計において3億300余万円の減額であります。 補正後の一般会計予算額は,歳入歳出それぞれ6,929億3,500余万円であります。 一般会計歳入予算につきましては,サブプライム住宅ローン問題に端を発した金融資本市場の変化,住宅投資の落ち込み,原油・原材料価格の高騰の影響等により全国的に企業収益の改善に足踏みが見られる中で,県内企業の収益がほぼ横ばいとなっていることなどを踏まえ,県税収入77億3,400余万円を減額するほか,国庫支出金46億900余万円を減額し,一方で,県債41億2,600余万円,地方交付税1億8,300余万円,地方特例交付金4億200余万円を増額するなど,所要の補正措置を講じるものであります。 歳出予算のうち増額措置の主なものは,地方消費税清算金18億3,000余万円のほか,国直轄道路事業負担金10億9,700余万円,企業誘致対策費5億1,500余万円などであります。また,減額措置の主なものは,人件費,県債利子償還費災害復旧事業費や,事業費の確定に伴うものなどであり,それぞれ所要の補正措置を講じるものであります。 繰越明許費につきましては,地元関係者との調整難航によるものなど,合わせて70件139億9,500余万円を繰り越ししようとするものであります。 債務負担行為につきましては,道路改築事業費など新たに債務を負担しようとするもの10件であります。 地方債につきましては,今回の補正予算に関連し,所要の補正措置を講じるものであります。 特別会計につきましては,岡山県公債管理特別会計など14会計において,また,企業会計につきましては,岡山県営電気事業会計など2会計において,それぞれ所要の補正措置を講じるものであります。 次に,事件案件につきましては,一般国道374号公共道路工事(湯郷第1トンネル(仮称))の工事請負契約を締結しようとするもの1件,県道新見勝山線公共道路改築(交付金)工事の工事請負契約を変更しようとするもの1件であります。 条例案件につきましては,岡山県立学校施設整備基金条例1件であります。 以上,今回提案いたしました諸議案につきましてその概要を申し上げた次第であります。何とぞ慎重御審議の上,適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第2 一般質問 ○議長(天野学君)  これより一般質問を行います。 質問時間は20分以内と定めます。 議席番号38番住吉良久君。   〔 38番 住吉良久君 登壇 〕 ◆38番(住吉良久君)  民主・県民クラブの住吉です。 一般質問のトップバッターを務めさせていただきます。今議会も23人がそれぞれ熱い思いで登壇いたしますので,夢のある答弁をお願いし,質問に入ります。 私は,今回も行財政問題に絞って質問をさせていただきます。 まず最初は,歳入確保対策についてです。 県では,多額の収支不足が今後とも続くことが予想されるという極めて厳しい財政状況を踏まえ,歳出削減だけでなく,歳入確保対策についても,あらゆる方策や新たな手法について幅広く検討することを昨年10月下旬に発表しました。この中で,県有資産については今まで以上に売却や貸し付けを進めていくこととしています。県有財産のうち,施設の用途廃止などにより未利用となったものについては,積極的に売却を進めるべきと考えますが,知事の御所見をお伺いします。 また,県庁舎の空きスペースの有効活用についても,今後活用を図るとしていますが,例えば,北海道では,道庁施設内に民間のコーヒーショップやコンビニに年間5,000万円で賃貸いたしておりますが。こうしたものを誘致したり,エレベーターの外扉のフィルムラッピング広告1基年間120万円,8基で960万円,道有施設のネーミングライツスポンサー事業2施設で3,600万円等,ありとあらゆる手段を用いて訪問者の利便性の向上と利用料収入の増加対策に取り組んでいます。国の庁舎でも,コンビニやコーヒーショップ等が入居している例などが見受けられますが,今後,本県においても,本庁舎1階の県民室や南庁舎あるいは本庁舎周辺敷地空きスペース等にコンビニなどの民間店舗を誘致するなどにより,図書館利用者を含めた利用者の利便性向上に努められてはいかがでしょうか,総務部長の御所見をお伺いします。 さらに,歳入確保に関する新たな手法として,不動産の証券化や事業用借地権方式等の項目を掲げておられますが,神奈川県では,市町村向けの貸付債権の流動化で347億円を調達された例もあると聞いています。本県の場合,こういった手法で市町村振興資金を流動化した場合,どれぐらいの効果額が見込まれるのでしょうか。また,今後当面キャッシュフロー対策として,市町村振興資金を初め県の単独貸付債権の流動化の可能性についても,総務部長にお伺いいたします。 そもそも資産の流動化とは,資金調達の手段として主に民間で用いられている手法であり,具体的には,リースバックや証券化,土地信託,定期借地権の活用などがありますが,地方公共団体がこうした手法を取り入れる際には,行政財産の用途廃止や資産価値の適正な評価方法の検討など,さまざまな課題があると思います。しかしながら,今後,県民への直接的な負担を求める前に,収支不足を少しでも解消する方策を固定観念や前例にとらわれず幅広く検討し,そしてそれを実現していくことは,非常に重要なことではないでしょうか。先ほどの市町村振興資金等単独貸付債権の流動化のほかにも,思いつくものに県有財産があります。県が今後本庁舎の耐震改修にあわせて建築予定の仮設庁舎についても,こうした手法を用いて低コストで整備する方法もあると思います。こうした例を含め,今後,県有財産の流動化について積極的に検討を行うべきと考えますがいかがでしょうか,知事の御見解をお伺いいたします。 さらに,提案も含めお尋ねいたします。 秋田県では,人づくりの土台となる子供を社会全体で支えていくことが秋田県の未来の発展につながるという理念のもと,子育て支援や教育のための財源を賄うための手法として,子育て新税を検討されているようです。この新税は,個人県民税・所得割の税率に0.3%を上乗せし,約20億円の財源を確保した上で,幼児の保育料の半額助成や少人数学習の推進に充当するというものであり,秋田県が発表した試算では,もし新税を導入した場合,年間負担額は夫婦2人,子供2人の年収500万円の世帯で約4,500円,年収400万円の独身者で約5,700円,70歳以上の年300万円の年金収入がある単身者で3,900円だそうです。また,秋田県では,この新税を導入しなかった場合,つまり一般県民に新たな負担を求めなかった場合は,例えば,保育料の補助率が2分の1から4分の1へ下がってしまうとか,乳幼児医療の自己負担が月1,000円上がってしまうといった子育て世帯の生活への影響がどのようになってしまうのかといった具体的な事例を挙げ,県民全体で議論を行ったようでありますが,こうしたことは県民の県政の参加意識の高揚や行政への関心を深める上でも大変意義のあることだと思います。今後,本県においても,使途を限定した上で,県民税の超過課税について検討を行っておくべきと考えますが,いかがでしょうか。また,さらに,来年度は森づくり県民税の継続について検討が行われる予定と聞いていますが,この点もあわせ知事の御所見をお伺いいたします。 ところで,本県では,法定外目的税として,1トン当たり1,000円の産業廃棄物処理税を導入していますが,他県の法定外目的税としては,東京都の宿泊税などがあります。しかし,まだまだ導入が限られているのが現状であります。その理由としては,税の徴収目的への県民等の理解やコストのかからない徴収方法の問題などがあるのではないかと思っています。 そこで,法定外目的税の提案ですが,1つは自動販売機税です。自販機の設置者から徴収し,環境美化等の施策に充当するもの,2つ目はペット税,ペットの販売業者から徴収し,動物愛護や動植物保護施策に充当するもの,3つ目は自転車税,自転車販売業者から徴収し,交通安全の普及啓発や交通安全施設整備に充当するもの,以上3点の提案を含め,今後の法定外目的税の導入について知事のお考えをお聞かせください。 ところで,本来,居住地に納めるべき個人住民税の一部を他の自治体に回せる,いわゆるふるさと納税制度ですが,このたびの税制改正により,地方公共団体に対する個人住民税における寄附金税制が拡充され,地方公共団体に対する寄附金のうち5,000円を超える部分について,個人住民税所得割額の1割を限度に税額控除される予定です。この税制改正の趣旨は,ふるさとを大切にしたいとか,ふるさとの発展のために貢献したいという,個人個人の純粋な気持ちにこたえるためのものと解釈していますが,制度上は,出身地以外の自治体は,例えば,自分の好きな自治体や自分が応援したいと思う自治体,すべての都道府県,市区町村から選択できるようになっています。こうした国の動きを先取りするかのように,早速,佐賀県では,県のホームページにふるさと佐賀県応援サイトを立ち上げ,寄附を募る活動を始めています。このサイトを拝見しますと,納められた寄附の使い道などもわかりやすく説明がなされており,寄附者がメニューを選べるようにもなっています。また,島根県でも,4月から,寄附者が使途を指定できる寄附条例を設けることとしています。先ほど指摘した新しい税の創設や増税といったことは,歳入確保のためのいわば最終手段ともいうべきものですが,こうした寄附制度は,納める方も嫌々ではなく,気持ちよく納めていただけるのですから,今後はこういった制度を活用していくべきだと思います。また,一人でも多くの人に少しでも多くの寄附をしていただくためには,岡山県のイメージアップやPRも必要であろうと思います。 そこで,お尋ねいたしますが,今後,本県も早急に寄附の受け入れに向けた取り組みを進めるべきと考えますがいかがでしょうか,知事の御所見をお伺いします。 次は,財政健全化についてお尋ねいたします。 昨年6月に成立した財政健全化法では,地方自治体の財政健全化を判断するための財政指標として,実質赤字比率連結実質赤字比率実質公債費比率,将来負担比率の4つの指標が設けられています。これは,自治体の普通会計だけでなく,公営企業会計や第三セクターまで財政状況の監視対象を拡大し,さらに,単年度フローだけでなく,ストック面にも配慮した判断を行うことができるものであり,自治体の財政悪化を可能な限り早い段階で把握するためのものであります。財政健全化法の4つの指標に基づく一定の基準によって,財政の早期健全化段階と財政の再生段階に分かれますが,財政の早期健全化段階とは,いわばイエローカードともいうべき状態で,財政健全化計画の策定並びに国への報告義務が発生します。また,財政の再生段階とは,いわばレッドカードともいうべき状態で,財政再生計画の策定を義務づけられ,地方債の発行が大幅に制限されるだけでなく,自治体の最も重要な権限である予算の変更等必要な措置について,国の強い関与を受けることになり,実質的には自治体の倒産を意味しています。 そこでまず,総務部長にお伺いいたしますが,本県の場合,この4つの指標の中でどの指標に一番問題があるのか,つまり留意して財政運営を行っていくべきなのか,現時点での各指標の数値の状況及び内容分析とあわせてお聞かせください。 また,財政破綻した夕張市の財政再建計画は,日本一高い負担と日本一低いサービスを住民に押しつけることになったと仄聞していますが,今後,県民生活に多大な影響を及ぼす県財政の破綻などということは,もちろんあってはならないことですが,もし万が一,財政再生団体に陥った場合,県民生活に与える影響は具体的にはどのようなものになるのでしょうか,知事にお伺いいたします。 最後は,今後の財政運営について何点かお尋ねします。 県が先般公表した財政見通しによると,平成20年度の収支不足額は,人件費カット行政改革推進債の発行を行ったとしても,財源不足が188億円となっています。また,さらに,平成21年度で137億円,平成22年度で168億円と,今後3年間の収支不足合計は493億円と見込まれています。そもそも他県の財政見通しにおける収支不足額とは,行革推進債等を発行しない場合の数字が一般的でありますが,例えば,本県の場合,この行革推進債充当前の収支不足は,平成20年度で359億円,平成21年度で294億円,平成22年度で277億円となり,合計では何と930億円にも上ります。本県では,平成10年度から毎年当たり前のように行革推進債,過去の名称では財政健全化債退職手当債を発行し,収支不足の穴埋めをしてまいりましたが,これらはしょせん借金,支払いの先送りにすぎず,こういった財政手法を恒常的にとり続けてきたことは,必ずしも適切であったとは言いがたいと思います。 そこで,まず最初は総務部長にお伺いいたしますが,他県の行革推進債退職手当債の発行状況についてお聞かせください。さらに,本県の公債費に占める過去の行革推進債退職手当債の償還額の割合は幾らぐらいなのでしょうか,あわせてお尋ねします。 また,公共事業費や一般施策費の削減など歳出削減を幾ら頑張っても,恒常的に行政改革推進債を発行し,新たな借金をつくる自転車操業状態を続けていったのでは,いつまでたっても収支不足は改善できないと考えます。このような異常な財政運営からいち早く脱却し,行政改革推進債等の発行や臨時的歳入対策に頼らない財政運営の確立と財政構造への転換を図るべきと考えますが,いかがでしょうか。そして,そのためには,私はやはり「入るをはかりて出るを制す」の格言どおり,どうしたら収入がふえるのかよく検討した上で,いかに出費を抑えるか。つまり身の丈に合った歳出にするといった点に尽きると思います。知事が考える適正な予算とはどういうものなのでしょうか,あわせて御所見をお聞かせください。 3点目でありますが,昨年9月議会の私の一般質問で,知事は,「平成21年度までの予算編成については,景気や国の動向など不確定要素があるものの,改訂第3次行革大綱に基づく歳出削減やさらなる歳入確保対策等を行えば何とか可能である」と答弁されました。また,さらに,「平成22年度以降の予算編成についても,県債残高が減少する見込みであり,収支不足についても基本的には21年度までの改善傾向が続く」ともおっしゃられました。これは,昨年8月に公表した財政見通しを受けてそのように答弁されたものと解釈していますが,昨年8月時点では,平成21年度の収支不足は255億円と試算されています。今回の試算によると,平成21年度の収支不足は,先ほども申し上げましたように294億円となっており,わずか半年の間に約40億円も収支が悪化しています。この収支悪化の原因は何なのでしょうか,総務部長にお伺いします。 そして,わずか半年の間にこれほどまでにずれてしまう財政試算というものがいかに予測が難しいものであるということは,今回のこのケースからも明白であります。私は,決してどんぴしゃ当たる試算をしろと申し上げているのではありません。7,000億円規模の予算でたった1%数字が動いただけで70億円ずれてしまいます。臨時的歳入対策が尽き果て,特定目的基金の繰替運用,それも私が以前から提案していたおかやまの森整備公社の追加積立分の約180億円にまで手をつけざるを得ないような現状になっても,知事は相変わらず平成21年度の予算編成は何とか可能であると断言されるのでしょうか。 また,さらに,今回は平成22年度までの財政見通しを公表されましたが,平成22年度の予算編成,さらには平成23年度以降の予算編成は可能なのでしょうか,あわせて知事の御所見をお伺いいたします。 ところで,大阪府の橋下知事は着任早々に財政の非常事態を宣言されました。大阪府の財政は約5兆円の借金を抱え,財政再建団体へ転落する寸前の状態でありますから,いきなりの非常事態宣言も,私は事態の深刻さとみずからの責任の重さを痛感してのことだと思っております。この大阪府に財政の厳しさ,悪さではまさるとも劣らない本県の財政状況であります。この際,本県も早急に大阪府と同様に,財政非常事態あるいは財政緊急事態の宣言を行い,まずは危機的な本県財政の現状やこのような状態に陥ってしまった原因,さらには今後の財政健全化策などについて,県民にわかりやすく説明し,そして県民の理解と協力を求めていくことが必要と考えますがいかがでしょうか,知事の御所見をお伺いいたします。 ○議長(天野学君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  民主・県民クラブの住吉議員の質問にお答えいたします。 まず,歳入確保対策であります。 未利用財産の売却でありますが,このたびの歳入確保対策では,すべての県有財産につきましてその必要性や集約化の可能性などを改めて検討いたしまして,売却可能な物件の掘り起こしを行い,約26億円の売却収入を見込んでおりまして,できるだけ早期に入札等による売却を進めてまいりたいと存じます。 また,これらの売却に加えまして,今後,施設の用途廃止などにより,新たに未利用となる財産につきましても積極的に売却いたしますとともに,低利用の施設につきましても,その必要性や売却可能性等を常に検討するなど,歳入確保に最大限の努力を払ってまいりたいと思います。 県有財産の流動化についてでありますが,お話のように,近年,民間では資金調達の手段といたしまして,リースバック,証券化,土地信託,定期借地権などの手法が活用されているところでありまして,県といたしましても,注目しているところであります。こうした手法は,立地条件がよく,高度利用が可能な資産につきましては,資金を幅広く調達することができるなど,有効な手法であると,このように考えておりますが,一方で,県有財産を活用する場合には,固定資産税等の発生によりましてトータルコストが増加いたしますほか,庁舎等の行政財産は地方自治法上売却できないため,リースバックの導入は困難であるなど,法律上の課題も認識しているところであります。今後とも,歳入確保のため,他県等の例も参考にしながらさまざまな資産活用の手法につきまして引き続き研究してまいりたいと存じます。 県民税の超過課税でありますが,本県では,昭和51年度から法人県民税の法人税割の超過課税を行いまして,平成16年度からは,おかやま森づくり県民税を創設し,個人県民税及び法人県民税の均等割の超過課税を行っているところであります。本県といたしましては,現在のところ,これらに加えまして新たな超過課税を行うことは考えていないところでありますが,いずれにいたしましても,超過課税につきましては,受益と負担の関係や税の使途など常にさまざまな観点に十分留意し,納税者の理解を得ていくということが重要でありまして,今後適切に対応してまいりたいと思います。 なお,おかやま森づくり県民税につきましては,平成21年3月に課税を行うことができる期間が満了するため,今後,税の導入効果を検証いたしますとともに,課税の継続の必要性につきまして,議会はもとより県民の皆様や有識者の方々から御意見を賜りながら検討してまいりたいと存じます。 法定外目的税についてでありますが,地域特有の行政需要に対応するため,地方分権を推進する観点から創設が認められたものでありまして,本県におきましては,産業廃棄物処理税を平成15年度に導入したところであります。現時点において,御提案いただきました3つの新税を含む法定外目的税を導入することは考えていないところでありますが,いずれにいたしましても,税のあり方を検討する場合におきましては,その必要性や受益と負担の関係につきまして十分に見きわめいたしますとともに,納税者である県民等の理解を得るということが重要でありまして,県民ニーズや社会経済情勢を見きわめながら適切に対応してまいりたいと思います。 寄附の受け入れに向けた取り組みについてでありますが,いわゆるふるさと納税制度の導入によりまして,税制上の優遇措置が大幅に拡充されることから,今後,地方公共団体に対する個人による寄附の増加が期待されているところであります。このため,本県といたしましては,まず希望する方が寄附を容易に行うことができるよう窓口の設置や寄附しやすい手続の整備等の対応を早急に行いたいと考えております。と同時に,本県の出身者の方々などに対しましてPR等を行ってまいりたいと思います。さらに,これをきっかけといたしまして,本県を応援したいという方がふえるように,他県の取り組みも参考にしながら,イメージアップや情報提供の充実等につきましても幅広く検討してまいりたいと思います。 次に,財政健全化についてであります。 まず,財政再生団体に陥った場合の影響についてでありますが,財政健全化法では,実質赤字比率が5%を超えるなど,健全化判断比率が再生基準を上回った場合におきましては,財政再生計画を策定いたしまして,総務大臣の同意を得ない限り原則として起債ができないこととされております。この法律による基準は,20年度決算から適用されるところでありますが,例えば,現行法による財政再建団体であります夕張市におきましては,一般職員給与の30%カット,単独事業の大部分の廃止,法令上の上限を基本といたしました税率の引き上げ等,極めて厳しい歳出歳入の見直しが行われているところであります。このような例を見ましても,再生団体となった場合には,県民生活への影響が懸念されるところでありまして,今後このような事態となることがないように,持続可能な財政運営の実現に向けまして全力で取り組んでまいりたいと存じます。 財政運営の確立等についてでありますが,特定目的基金からの借り入れ等の臨時的歳入対策は,これはあくまで緊急避難的な措置でありまして,また,その活用には限界もあるところであります。また,行政改革推進債につきましては,行革による負担軽減効果を踏まえてその発行が認められているものでありまして,本県も行革効果の範囲内で発行してきたところでありますが,長期的な観点からは,県債全体の発行の抑制を行っていくことが必要であると考えております。このような観点も踏まえまして,私といたしましても,お話のように,歳入歳出のバランスのとれた持続可能な財政運営を実現していくということは極めて重要であると考えておりまして,そのため,国に対して地方として必要な地方一般財源総額の確保を引き続き訴えてまいりますとともに,何より本県みずから改訂第3次行革大綱に基づく取り組みを着実に行っていくことはもとより,歳出の見直しをさらに徹底し,また,歳入面につきましても最大限の努力を行ってまいりたいと存じます。 財政見通し等についてであります。 まず,21年度以降の予算編成でありますが,本県の財政は改善の傾向にはありますものの,当面大きな収支不足が見込まれ,また,臨時的歳入対策の活用にも限界がある厳しい状況となっておりますが,改訂第3次行革大綱に基づく取り組みはもとより,歳出歳入両面にわたりまして徹底した取り組みを行うことにより,持続可能な財政運営を実現してまいりたいと存じます。 県民への説明等でありますが,本県におきましては,ストックベースでは一定の改善が見られつつも大きな収支不足を抱える厳しい財政状況が続いている中で,これまでもさまざまな形で財政にかかわる情報を提供しながら財政運営に取り組んできたところであります。引き続き厳しい県財政の現状や今後の見通しにつきまして,できる限り県民の皆様に正確に,また,わかりやすくお伝えするよう努め,一層の御理解と御協力を得ながら行財政改革に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(天野学君)  総務部長堀井巌君。   〔 総務部長 堀井 巌君 登壇 〕 ◎総務部長(堀井巌君)  お答えいたします。 庁舎等の空きスペースの活用についてでありますが,歳入確保対策において,県の各庁舎に空きスペースが生じた場合には,県施設の再配置や市町村または民間事業者への貸し付けなどにより,徹底した有効活用を図ることとしております。このため,他県等では,庁舎内に民間のコーヒーショップなどを誘致している例もあることから,本県においても,県民室などの一角に店舗の設置などを行い,施設の有効活用を図るとともに,来庁者の利便性向上に努めてまいりたいと存じます。 次に,市町村振興資金等の流動化についてでありますが,20年度末を基準といたしますと,市町村への貸付残高見込み額が25億6,000万円程度であり,これに伴う利子収入の5,000万円程度を加えた約26億円が流動化の対象となり得ると考えておりますが,その効果額につきましては,流動化した場合には一定の割り落としがかかりますことから,現時点では正確に見込むことはできないところでございます。御提案の市町村振興基金も含む県の単独貸付債権の流動化につきましては,これまで神奈川県のみが行っているところではありますが,貸付制度の趣旨や債権の状況なども踏まえながら,その実現可能性について引き続き研究を行ってまいりたいと存じます。 次に,財政指標についてでありますが,財政健全化法における4つの判断比率のうち,実質公債費比率は17.8%,実質赤字比率は,分子となる実質収支が黒字であることから,ゼロ%と見込まれます。連結実質赤字比率及び将来負担比率については,なお国において算定方法の詳細を検討中でありまして,試算するには至っておりません。実質公債費比率については,これまでの行革の効果などにより早期健全化基準である25%を超えることは見込まれておりませんが,一方,実質赤字比率につきましては,収支不足が本県財政の最大の課題となっている中で,今後,万一150億円程度を超える赤字決算となった場合には,早期健全化基準を超えることとなることから,こうした事態に陥ることがないよう,収支不足の解消に向けて全力で取り組んでまいりたいと存じます。 次に,行革推進債の発行状況等についてでありますが,18年度決算では,都道府県のうち行革推進債を発行した団体は30道府県で,総額は2,427億円,退職手当債を発行した団体は33道府県で,総額1,707億円となっております。また,20年度当初予算における本県の公債費1,033億円のうち,過去に発行した行革推進債退職手当債の償還額は78億円でありまして,公債費全体に占める割合は7.6%となっております。 最後に,21年度の収支悪化の原因についてでありますが,主な要因としては,県税について試算のベースとなる20年度の税収を2,702億円から20年度当初予算案に合わせ2,624億円にしたこと,また,20年度の名目経済成長率の見込みを政府見通しの見直しに伴い2.8%から2.1%に下方修正したことなどによるものであります。 以上であります。 ○議長(天野学君)  38番。   〔 38番 住吉良久君 登壇 〕 ◆38番(住吉良久君)  寄附受け入れ窓口設置など前向きな御答弁もいただきましたが,再質問させていただきます。 まず,財政危機についてですが,例えば,高知県では,赤字額が標財規模の5%を超えた場合,つまり財政再生団体に転落した場合の県民生活への影響を具体的に県民に示しています。この内容を御紹介すると,もし財政再生団体へ転落した場合,例えば,道路や公園の維持修繕が困難になり,県の公共施設は閉鎖,市町村や団体への奨励金や補助金も廃止,乳幼児医療の助成も廃止,小学校の少人数学級も縮小,そして県民の負担は増大し,増税や使用料等の増額も行われると明記されています。こういった具体的な内容を聞かされると,さすがに実感がわいてきますし,逆にそうならないためにも私たち県民は何をすればいいのかとか,どうすれば財政の再建に協力ができ,財政再生団体への転落から免れることができるのかなどと考えることができるのではないでしょうか。 そこで,再度知事にお伺いしますが,今日の危機的財政状況と,そしてそれに足る御自身の財政運営を振り返った現在の率直な御感想と,そしてこの危機的な財政状況について,県民に対して積極的に説明されるおつもりがあるのかどうか,御所見をお伺いします。 次に,知事は先ほどの答弁で,歳出の見直しをさらに徹底するとおっしゃられましたが,現在の改訂第3次行革大綱では,平成21年度までは,例えば,一般行政施策対18年度予算費10%削減,公共事業費30%削減と明記されています。しかも,この大綱は我々県議会で議決したものであります。知事は,こうしたことを無視してさらなる歳出削減を進められようとしておられるのか,その場しのぎでなく,この際,現在の行革大綱を1からつくり直して,歳出削減のやり方やそのレベルを議論し,歳出構造そのものを見直すことが筋ではないかと考えますが,いかがでしょうか。行革大綱を改訂せずに,さらなる歳出削減を行うおつもりなのかどうかも含め,もう一度知事の明確な答弁を求めます。 次に,予算編成についてですが,現在,知事が進めておられる「新おかやま夢づくりプラン」の中期行動計画では,平成23年度までに達成する夢づくり協働指標を掲げておられます。失礼なことをあえて申し上げますが,今回,平成23年度までの収支見通しを公表されずに,財源手当ての見通しがないままこうした目標を掲げるのはいかがなものでしょうか。知事は,この秋の知事選に出馬される意向を表明されましたが,4期目の県政を担われるのであれば,少なくとも次の任期中,平成24年度までの財政見通しを立てた上で,平成24年度の岡山の姿をマニフェストとしてまとめ,そして宣言されるべきではないでしょうか。平成24年度の県財政の状況はどうなのか,新しい施策が次々とできるようになり,魅力あふれる元気な岡山となっているのかどうか,よもや財政破綻し,県の自主性もなくなり,県域から人々が逃げ出しているようなことにはなっていないだろうか,みんな不安を感じています。 そこで,知事にお尋ねいたします。 平成23年度以降,せめてあと4年後,平成24年度までの予算編成は可能なのでしょうか。知事の「大丈夫だ,絶対に破綻はさせない」という力強い言葉を,今この場でお聞かせいただけることを県民は期待いたしております。いかがでしょうか,御所見をお伺いいたします。 ○議長(天野学君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  再質問にお答えいたします。 財政の現在の厳しい状態に立ち至ったその原因を振り返ってどうなのかというお尋ねを最初いただきましたが,たびたび御説明申し上げておりますとおり,大変厳しい岡山県の財政状況,就任したときはそのような状態でございましたが,これは1次,2次,3次と行財政改革大綱に基づいて歳出削減を行ってまいりました。この効果がありまして,いわゆる借金の比率,公債費比率,これにつきまして,改善の傾向が見られるというところまできたわけでございますが,御案内のとおり,その後,国の方で16年の大幅な地方交付税の削減,これが岡山県の財政状況から見ると,大体毎年300億円程度減らされたまま,現時点,毎年毎年続いておると,こういう状態でございます。これが現実となった段階で改訂第3次大綱ということにしたわけでございまして,これに基づいて財政運営を行っているところでございますけれども,御案内のとおり最近におけるさまざまな経済状況,そして国の方からは依然として大変厳しい交付税の抑制傾向が続いている等々の要因がありまして,現在のような厳しい財政見通しとなってきていると,このように考えているところでございます。いずれにいたしましても,この問題につきましては,財政再建団体に陥るということは絶対にないように,健全な財政運営,持続可能な財政運営というものを行っていかなければいけないと,このことをしっかりこれからも県民の皆様に御説明申し上げていきたいと思っております。 そこで,2つ目に,行革の大綱についての御質問でございますが,これはもちろん改訂第3次行革大綱は県議会の皆様の議決をいただきました。したがって,これに基づく取り組みはもとよりでございます。これは当然やっていかなければいけないんですけれども,先ほど申し上げましたような大変厳しい収支不足状況がこれからも続くという見通しの中で,私といたしましては,もう歳入,歳出両面にわたりまして徹底した取り組みというものを,さらにこれは行っていかなければいけない,具体的にどのような項目でその徹底を行っていくのかということにつきまして,今,事務当局に指示して,その検討材料を,整理しております。いずれにいたしましても,持続可能な財政運営,これを実現していくということは,私に課せられた最大の使命であると考えております。 したがいまして,3番目の御質問でございますけれども,これからの「新おかやま夢づくりプラン」に基づくさまざまな施策,これはぜひ私は実現をしていきたいと考えておりますので,そういう夢と希望にあふれる「快適生活県おかやま」を実現するためにも,ぜひ必要な行財政改革というものをしっかりと行いながら,その健全な財政運営のもと,「選択と集中」の観点で政策を進めていく必要があります。こういった観点で,将来の見通しということも的確に把握しながら,私といたしましては,当然出馬の決意表明をさせていただきます際に御説明申し上げましたとおり,必要なものはマニフェストとして財政面につきましてもお示しさせていただきまして,今後の財政運営,さまざまな形で情報提供もしっかりと皆様方に提供させていただきながら,健全な財政運営に努めてまいる所存であるわけでございます。 以上,3項目にわたりまして御質問いただきましたので,回答とさせていただく次第でございます。 以上でございます。 ○議長(天野学君)  38番。   〔 38番 住吉良久君 登壇 〕 ◆38番(住吉良久君)  御答弁をいただきましたが,先ほども申し上げましたように,改訂第3次行革大綱を策定いたし,最大限の歳出削減のカットをしてまいりました。そうした状況において,知事からさらなる歳出の削減と御発言がありましたので,この改訂第3次行革大綱をいかに考えておられるのか,これ以上もう切り詰めるところはないではないか。それであれば,第4次行革大綱を策定し,1から根本的に対応を考えるべきだ,こういうふうに申し上げたわけであります。 平成24年度までの財政見通しの公表についても,知事から明言をいただくことができませんでしたので,お尋ねいたします。 知事は,前回平成16年の選挙で,「情熱県政おかやま大地夢づくり宣言」というマニフェストを掲げておられます。マニフェストの意味やその要件について調べてみますと,マニフェストとは,従来の選挙公約とは異なるもので,何をいつまでにどれぐらいやるかを明示したものであり,そのための具体的な施策やその実施期限,目標などを示したもので,有権者と候補者との間の因果関係を明確化することを目的としたものです。もう少しわかりやすく申し上げれば,いつの予算で実施するのか,どんな目標を設定し,そのためにはどんな施策を実現させるのかということを明文化したものであります。知事のマニフェストの中には(マニフェストを示す),「適時適切な財政運営を行う」とか,「自立した財政運営を行う」とか,「この中にうたわれた施策を推進するために必要な財源を確保する」,このようにこのマニフェストに明記されております。もし仮に,知事がこの秋の選挙で前回と同様のマニフェストを掲げられるのであれば,少なくともその裏打ちとなる財源を手当てしておく必要があるのではないでしょうか。それができないのであれば,それはマニフェストではなく,かすみのごとき夢を並べただけの選挙公約と言われても仕方がありません。 そこで,再度知事にお尋ねいたします。 今回の財政見通しは,2月に出されましたが,財政見通し自体は毎年2月と8月に公表されています。本来なら,速やかに平成24年度までの財政見通しを公表し直していただきたいところではありますが,試算のための時間もかかるでしょうから,ぜひ今年の8月には平成24年度までの試算を行い,それを示していただきたいと思います。過去においても,平成17年には5年間の試算をしていますし,決して技術的に困難と言えないと思います。5年間ということであれば,平成25年度まで試算ができるではありませんか。 そこで,あえてお尋ねいたします。 次回の財政見通しは,ぜひ平成24年度もしくは平成25年度までを試算し,公表していただけませんか。そうすれば,選挙に向けたマニフェストを打ち出すことができると思います。この際,この場でぜひ県民に約束していただけませんか。もし万が一約束ができないというのであれば,その理由をお聞かせください。 ○議長(天野学君)  知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  再質問にお答えいたします。 もちろんマニフェストは,財源的な裏づけをつけたものでなければいけないということでございます。それは私も十分認識いたしております。御案内のとおり,たびたび申し上げておりますが,一番大きな要因は,国の交付税抑制なんです。規模が全然違います。300億円が毎年続いているんです。そこで,それが今後どうなるかと,そこをどう見きわめるかというところが一番大事ですよね。今予算につきましては,国はしっかり頑張って地方への配慮していただきました。しかし,やや地方交付税等は微増というところにとどまっているんですが,岡山県は300億円足りないという,その減を補っていただいてないという,これがずっと続いているわけです。これは,実は岡山県だけではなくて,全国すべての都道府県において,都の方はいんですけれども,道府県においては厳しい財政状況になっているということで,どこもこれからの見通しに苦慮されておるわけでございます。そういった状況ではございますけれども,私は,2月と8月,今まで財政見通し,その時点において最大限見通しができる,その範囲内で県民の皆様に財政見通し等,具体的な数字をお示ししてきたわけでございます。今後とも,そういう姿勢でこの8月時点,できる限りの見通し,そのつく範囲内におきましてその数字等で御説明申し上げていきたいと,このように考えているところでございます。 以上でございます。
    ○議長(天野学君)  続いて,議席番号20番森脇久紀君。   〔 20番 森脇久紀君 登壇 〕 ◆20番(森脇久紀君)  日本共産党の森脇久紀でございます。 まず,来年度予算案について,知事及び関係部長に伺います。 多くの国民には,景況感が感じられない状況のもと,家計を温めることを重視した予算の編成が必要です。 そこで,1つは,県民の切実な願いに速やかにこたえる内容を盛り込むことを求めます。とりわけ,原油・原材料価格の急激な高騰に対し,岡山県産業を守り,県民の暮らしを支援する予算が必要です。施設園芸農家等への支援として,経費節減につながる電気機器導入への補助・融資制度の実施,電気料金優遇制度の設定へ電力会社,知事会等への働きかけを求めます。いかがでしょうか。 現場には,先行きが見えないことへの不安,高齢化などにより,これ以上借金ができないという声が多くあります。この際,中小事業者,農林漁業者等に対し,燃料代や機材・原材料購入費への補助,県民税の減税等を実施してはどうでしょうか。 生活保護世帯には,昨年度から夏,冬の援護金が廃止されており,さらに苦しさは大きくなっています。援護金の復活も含めて,低所得者に対する特別の財政支援を求めます。いかがでしょうか。 次に,住民の命を守る予算及び施策の充実を求めます。 その1つは,4月から始まる後期高齢者医療制度について伺います。 私は,この間,多くの高齢者の怒りを聞いてきました。「年金は減る一方なのに負担はふえるばかり」,「年寄りは早う死ねということか」,「まるでうば捨て山だ」,広がっている怒りは,負担増に対するものだけではありません。75歳以上というだけで,国保や健康保険から追い出され,保険料をわずかな年金から天引きされ,払えなければ被保険者証を取り上げられる,このような厳しい仕打ちへの怒りであり,さらには保険のきく医療が制限され,人間としての尊厳が否定された扱いを受けることへの怒りです。このような制度は中止するよう,今からでも国に求めるべきではないでしょうか。 東京都広域連合は,低所得者の保険料を2年間ですが,独自に軽減する制度をつくりました。岡山県でも,高齢者が安心して生活し,安心して医療が受けられるように,保険料負担を軽くする制度を設けるよう,広域連合への支援を行うべきではないでしょうか,伺います。 関連して,療養病床の再編成について伺います。 提案説明で,知事は,「高齢者の状態に即した適切な医療・介護サービスの提供体制を整える」と述べられましたが,高齢者の状態とはどういうことを意味するのでしょうか。 県が実施した地域ケア体制整備構想素案に対するパブリックコメントでは,療養病床削減は介護難民,医療難民を生み,地域を混乱させるなど,療養病床の削減に異議を唱える指摘がありました。高齢者の実態を正しく踏まえれば,療養病床削減計画を強制しないよう国に求めるべきではないでしょうか。 以上,伺います。 2つ目は,障害者自立支援法について伺います。 この場からも何度も指摘しましたように,障害者や家族を苦しめ,施設経営を困難にしている最大の原因は,応益負担の導入と施設への給付費削減です。応益負担をなくすこと,施設への給付費をふやすことを国に強く求めるべきです。いかがでしょうか。 県は,このたび工賃倍増5カ年計画を策定しました。私は,余りにも低い工賃水準を引き上げるための支援として,継続的な仕事の確保,販路の拡大への支援,特に重視することを求めます。また,施設経営を安定した軌道に乗せるための支援が必要と考えます。経営が安定すれば,工賃をふやすさまざまな知恵や工夫を自主的主体的に考えることができます。授産施設等の安定的経営のための財政支援,加えて利用者負担を軽減するための支援を県として実施するよう求めますが,いかがでしょうか。 3つ目は,心身障害者医療費公費負担制度についてです。 障害福祉課からいただいた資料によりますと,一昨年10月に医療費1割負担を導入して以降,月ごとの診療人数は減少傾向にあり,昨年9月のレセプト件数は前年同月比で90.7%となっており,受診抑制が起こっているのではないかと心配します。この原因をどう考えますか。私は,重度障害者の命と健康を守るため,制度をもとの無料に戻すべきだと考えます。あわせて保健福祉部長に伺います。 また,せめて所得の範囲を障害者自立支援法で改善された本人と配偶者に改めるべきです。いかがでしょうか,保健福祉部長に伺います。 4つ目に,人手不足が深刻化している福祉職員の処遇改善について伺います。 福祉の現場で役に立ちたいと意欲を持った若者が離職したり,養成学校に学生が集まらない事態が生まれ,大きな問題になっています。施設への報酬が削減され,仕事はきつい割に賃金が安いことが大きな原因です。この問題で,国は平成21年度に報酬改定することを決めました。しかし,それまで待てないという状況もあります。日本共産党は,国民の願う高齢者介護・障害者福祉の実現を目指し,深刻な人材不足を打開するための緊急提言を発表し,高齢者や障害者の命と尊厳を守るにふさわしい職員給与に引き上げるよう提案しています。特に,正規,非正規を問わず,今すぐ賃金に一定額の上乗せができるよう,国が賃金特別加算制度を設け,確実に賃金アップが図られるよう求めているのが特徴です。福祉職員の処遇改善は,個々の福祉職員の問題にとどまらず,県民の命,老後をどう守るかという課題です。国はもちろん地方自治体も責任を担う課題です。私は,県としてすべての福祉職員の給与に対して,賃金特別加算制度をつくるよう提案します。全国に先駆けて県独自で実施することで有能な人材を安定して県内の福祉職場に確保でき,岡山県の福祉水準を高める重要な役割を果たすものと考えます。知事の見解を伺います。 予算案に関する最後は,県民が安心して暮らせる岡山県づくりに関して伺います。 1つは,大気汚染の監視体制についてです。 県は,国の事務処理基準が示されたことを契機に,これまで続けてきた常時監視測定局及び測定項目の削減を進めています。個々の測定局について検討を行い,削減理由を挙げておられますが,住民合意が得られているとは思えません。とりわけ,光化学オキシダントについては,一昨年から注意報の発令件数が激増,数年間なかった健康被害も出ているのです。測定局及び測定項目を減らすことは,この分野での県の認識が問われる問題と言わなければなりません。再検討が必要ではないでしょうか,生活環境部長に伺います。 また,市や町が一たん廃止した測定局を再度設置したいと判断した場合等は,その考えを尊重していただきたいと思いますがいかがでしょうか,あわせて生活環境部長に伺います。 もう一つは,防犯灯の整備です。 県警察の調べでは,不審者情報の発生地点の8割が路上であり,5割が下校時間帯で起こっています。先月も夕刻に,岡山市下足守で女子高校生が痴漢被害に遭う事件がありました。県は,安全・安心のまちづくりの指針として,防犯灯の設置を挙げていますので,その状況を確認するため,下足守の現場付近を歩いていました。現場付近には,県道総社足守線とそれに合流する市道,そして岡山賀陽自転車道が走っています。県道であるこの自転車道は,足守駅から鉄道を利用する高校生が自転車で駅と家を往復するためによく使っています。自転車道のうち,下土田と足守の住宅がある地域には防犯灯が設置されていましたが,住居のない大部分には設置されていませんでした。特に,下足守地内は住宅から最も遠くなる場所でありました。このような住居のない地域については,道路管理者が計画的に防犯灯を設置する予算を確保するべきではないでしょうか,伺います。 大きな項目の2つ目として,第3次行財政改革大綱に掲げられた県民局・支局の再編及び保健所のあり方の見直しについて伺います。 支局から地域庁舎への再編に当たって災害・危機管理,初動体制は大事な課題の一つです。私は,災害・危機管理というのは,いざ事が起こってからではなく,日常的に地域をよく知り,市町村や地域住民組織との連携がとれている,日ごろからそういう体制があってこそ機能するものと考えます。知事の見解を伺います。 次に,保健所の体制です。 保健所は,地域住民の健康を守る拠点として大切な役割を果たしています。これまで築いてこられた保健と福祉の連携も,非常に重要なものであると理解しています。市町村合併がされたものの,保健所が所管しなければならないエリアも人口も大きな変化はありません。一方,高齢者,子供をめぐる対応,精神保健面での対応など,保健の専門組織としての役割はますます大きなものになっています。市町村との連携をより密にし,専門組織としての役割を十分発揮できる体制を保障するのが県の責任だと考えます。そのためには,少なくとも今の体制の維持が必要だと思いますが,いかがでしょうか。 いずれの再編も,県政にとって,また,住民にとって大きな改革です。再編に当たって現場で働く職員の声を十分聞く必要があると思いますが,これについてはどのようにされるのでしょうか,総務部長に伺います。 次は,中国残留孤児への支援について伺います。 国は,老後の生活の安定,地域での生き生きとした暮らしを実現するとして,中国残留孤児に対する新たな支援を決めました。残留孤児と呼ばれる人々は,日本のあの戦争の犠牲者であり,手厚い支援があってしかるべきなのに,政府はそれを怠ってきました。この新たな支援策は,祖国日本に移住した残留孤児たち,その支援者たちが国を動かしかち取った制度です。私は,この新制度がすべての対象者に実施され,生活向上に生かされるよう県の取り組みを求めるものです。 1,新制度の実施に向けて現在どのように取り組まれているのか,進捗状況をお示しください。 2,県と関係市町村に相談窓口を設置し,専任の支援・相談員を配置するよう求めます。 3,支援・相談員には,残留孤児問題や新たな支援策をきちんと理解している人が必要です。支援・相談員の選考に当たっても,また,今後支援策を具体化するに当たっても,中国残留孤児を支援するさまざまな支援団体等と連携するよう求めます。 以上,保健福祉部長に伺います。 次に,労働者の人間らしい働きを実現するため,今回,派遣労働について質問いたします。 岡山労働局によりますと,2006年度の県内に本社を置く派遣事業所の派遣労働者数は,前年度比16.7%増で3万7,259人と大きくふえています。そのうち登録型派遣労働者は約7割にもなっています。登録型派遣の中でも,いわゆる日雇い派遣というのは,派遣会社に登録しておいて日々仕事があるときだけ雇用されるという,極めて不安定な働き方で,賃金は安く,仕事がいつ入るかわからず,将来の見通しも夢も持てる状況にありません。危険が伴う場合も多く,岡山労働局の労働災害発生状況を見ますと,岡山県内で発生したすべての労働災害は,平成16年から17年は43件減,17年から18年は131件減だったものが,平成18年から19年には58件増となっています。この58件のうち派遣労働者の労働災害は54件もふえているのです。派遣労働者がふえていることに加え,短期労働が多いため,安全衛生面の指導が徹底できないことからくる問題ではないでしょうか。 そこで,質問です。 1,国会では,我が党の志位和夫委員長の追及に,福田首相も好ましくないと述べた日雇い派遣ですが,日雇い派遣に対する知事の見解をお伺いします。 2,県として実態をつかむことが必要です。県営工業団地に立地する企業,県が誘致補助金を出した企業における日雇い派遣の受け入れの状況はどうでしょうか,産業労働部長に伺います。 3,人間を使い捨てにするような派遣労働のあり方の見直しを国に求めていただきたいと思います。知事に伺います。 次は,特別支援教育についてです。 障害児を持つ倉敷市の親の会の方々が,倉敷地域への特別支援学校建設を求めておられます。これは,小学部から中学部,高等部までの子供たちの発達を保障する場としての特別支援学校です。この切実な要望に明確な回答はいまだありません。この声にはどうこたえるのでしょうか。これは知事の見解を伺います。 次に,児童生徒数がふえている岡山東養護学校の高等部生徒が岡山聾学校の施設を一部使用する件について,教育長に伺います。 聴覚障害児には聴覚障害児に必要な教育,知的障害児には知的障害児に必要な教育があります。これらをきちんと保障することが必要と考えますが,いかがでしょうか。 この項最後は,岡山市と倉敷市に高等特別支援学校を設置する計画についてです。いずれの学校も,全県学区と伺っていますが,定員を超えた場合,どのようにして入学者を決めるのでしょうか。また,現時点で寄宿舎の計画はなく,交通の便もよくありません。この点をどのように考えているのでしょうか。さらに,職業科を設置するとのことですが,一般の教科学習はどのような内容で,どの程度実施するのでしょうか,あわせて教育長に伺います。 次は,地球温暖化防止対策について知事に伺います。 いよいよことしは京都議定書の約束期間最初の年となります。京都議定書で,日本は基準年度である1990年比6%の温室効果ガス削減を約束していますが,2006年度は6.4%もふえたと,大問題になっています。岡山県は,6.5%の温室効果ガス削減が目標ですが,先般発表された2005年度のデータでは,全国の約2倍,15%もふえています。このことをどう認識しておられますか,増加の原因及び今後の対策について伺います。 県は,国の削減目標を上回る目標を掲げたにもかかわらず,2005年度時点までの取り組みは大きくおくれていると言わなければなりません。環境先進県という以上,国や他の都道府県を上回る施策が必要です。二酸化炭素排出量を部門別で見ますと,産業部門が約8割,運輸部門と民生部門がそれぞれ1割弱であり,多量の排出がある産業部門で達成できるかどうかが決定的です。新岡山県環境基本計画では,多量の温室効果ガスを排出する事業所を対象とする温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度の創設が重点プログラムとして位置づけられています。私は,これに加えて,県内で活動する企業との間で公害防止協定のような地球環境温暖化防止協定を結び,企業単位で削減目標と計画を持って取り組んでもらうよう提案します。そうすれば,企業の意識改革につながり,温室効果ガスの削減に向けてさらに効果を発揮するのではないでしょうか。2004年2月議会でも伺いましたが,今日の状況を踏まえて改めて見解をお伺いします。 民生部門での取り組みも重要です。ここでは,節電,省エネの啓発と同時に,「晴れの国おかやま」にふさわしく太陽光パネルの普及率を飛躍させる必要があると思います。自然エネルギー導入は,節電の意識を高め,日常生活の中で環境問題を考える最も身近な環境教育の場としての効果もあります。家庭,民間事業所,公営施設ごとに,温室効果ガス6.5%の削減に見合う普及目標を設定し,設置促進を図るべきではないでしょうか,伺います。 家庭に対しては,県としての設置促進のための補助制度,あるいは利子補給の制度を創設してはいかがでしょうか。また,滋賀県で行っているような売電量に応じて補助をつけるという方式など,思い切った誘導策が必要ではないでしょうか。また,事業所に対しては,国の補助制度のさらなるPRも必要です。あわせてお伺いします。 この項最後に,地球温暖化防止を進める県の体制についてです。 質問準備に当たって感じましたのは,責任を持って統一的に進める部署があるのかということです。地球温暖化防止対策は,主に生活環境部環境政策課が所管しているものの,地球温暖化防止活動推進センターに指定している環境保全事業団は,県民生活課の所管です。産業分野は,産業労働部,農林水産部にわたるものもあります。環境学習は教育庁とも関係します。県有施設に設置された太陽光パネルは,生活環境部のものがあり,企業局のものもあり,教育庁のものもありというぐあいです。地球温暖化防止対策について総合的に政策化し,進捗状況を検証する専門部署として地球温暖化防止推進室の設置が必要ではないでしょうか,お伺いいたします。 質問の最後は,国営岡山南部土地改良事業,足守川パイプライン化事業について農林水産部長に伺います。 この事業は,高梁川に設置された高梁川合同堰で取水された農業用水を前川直前で新しく設置予定のパイプラインに流し,農水省によると,下流域まで安定して用水を供給する事業とされています。パイプラインが敷設される地域では,十分な用水が確保されず,かえって水不足になるおそれがあるなどと,圧倒的多数の農家の皆さんが反対の声を上げています。この事業は,ことし事業採択後10年が経過したため,2度目の事業再評価が実施されます。再評価をどのように行うかは,選ばれた評価委員に属する権限でしょうが,評価を客観的,公平に行うことは,だれしも認めることだと思います。前回再評価の議事録を見てみますと,下流の岡山市興除地域の3人の農家の方々が用水の確保に苦労してきたことを語っています。ところが,パイプライン化に反対している中流域,岡山市高松や倉敷市庄地域の農家の声は反映されておりません。ある評価委員から,パイプラインに反対の方には農家の代表の方もいてひっかかっているという趣旨の意見が出されているのに,評価の公平性を確保する意味から,今回の再評価に当たって中流域の農家の声を聴取するよう国に求めていただきたいと思います,いかがでしょうか。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(天野学君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  日本共産党の森脇議員の質問にお答えいたします。 まず,原油価格高騰対策等についてであります。 施設園芸農家等への支援でありますが,県では,施設園芸を対象といたしまして,電気機器を含む省エネ,低コスト化機器・機械,施設の導入に対する単県助成を行っておりまして,制度資金におきましても,省エネ施設・設備を融資対象とする措置を講じております。また,国では,来年度から,重油暖房機とヒートポンプエアコンを組み合わせた先進的省エネ加温設備等の導入を支援すると聞いております。 なお,電気料金優遇制度の設定への働きかけでございますが,これにつきましては,今後,施設園芸農家の電力需要や制度設定の要望を踏まえまして検討をしてまいりたいと思います。 中小事業者への補助等でありますが,中小企業者や農林漁業者の経営の安定化を図るため,低利融資の拡充,制度資金の償還条件の緩和,相談体制の充実などの支援策を実施しておりまして,御提案の燃料代や原材料購入費等への補助制度の創設は考えていないところであります。また,県民税につきましては,増加した費用は必要経費として控除されることとなっているところであります。 低所得者に対する財政支援でありますが,暖房用燃料の一括購入など,一時的に必要な特別資金につきましては,県社会福祉協議会が実施する生活福祉資金貸付制度が利用できることとなっておりまして,県といたしましても,適切な運用がなされるように周知を図っているところであります。 また,生活保護世帯の冬季の需要に対しましては,扶助費に冬季加算が算定されておりまして,生活保護基準も改善されてきているということから,お話の援護金の支給は考えていないところでございます。 次に,後期高齢者医療制度等についてであります。 制度の中止についてでありますが,後期高齢者医療制度は,今後の超高齢社会を展望いたしまして,医療制度を持続可能なものといたしますため,現役世代と高齢世代との負担の公平化を図る等の必要から,導入をされることとなったものであります。県といたしましては,今後とも制度が適切に運営されますよう,広域連合及び市町村に対しまして必要な助言等を行っていくことといたしておりまして,国へ制度の中止を求めることは考えておりません。 広域連合への支援でありますが,お話の東京都広域連合の保険料軽減は,市区町村の負担を財源といたしまして,広域連合の判断で独自に行うものと聞いております。御提案のような支援を行うことは考えていないところでありますが,後期高齢者医療制度では,低所得者等に対します保険料軽減の措置が設けられておりまして,県といたしましては,これに要する費用の一部を負担いたしますとともに,広域連合が行います健康診査に対しまして独自に支援を行ってまいりたいと考えております。 高齢者の状態の意味についてでありますが,現在,療養病床に入院している方は,医療や介護の必要度が高い方から低い方までさまざまでありまして,高齢者の状態とは,こうした医療や介護の必要度合いを示すものであります。 国への要望でありますが,療養病床の転換は,高齢者の実態に即して適切な介護サービス等を提供するために行われるものであります。これは,基本的に医療機関の意向に基づいて行われ,強制されるものではないということから,お話のような提案を国に対し行うことは考えておりません。 次に,障害者自立支援法等についてであります。 応益負担の廃止等でありますが,自立支援法の費用負担につきましては,福祉サービスの利用者も含めて国民全体で制度を支え合う公平な仕組みとするため,サービスの利用量と所得に応じた費用負担となるよう導入されたものでございまして,基本的な枠組みの変更を国に求めることは考えていないところであります。来年度からは,国の緊急措置に基づきまして,利用者負担のさらなる軽減措置が講じられますとともに,事業者に対しましては,従前の収入枠の90%を保障する措置等に加え,通所サービスの報酬単価の引き上げなどが実施される予定であります。県では,これら緊急措置の適切な実施に努めますとともに,施行状況を十分に把握しながら,必要に応じ適切に対応してまいりたいと存じます。 授産施設への支援等でありますが,県では,授産施設等の経営基盤の強化を図るため,本年度から経営セミナーの開催や個別経営相談を実施いたしますとともに,来年度からは工賃引き上げのための各種施策を実施いたしたいと考えております。 また,来年度から国の緊急措置に基づきまして通所サービスの報酬単価の引き上げなどが実施されますとともに,7月から低所得者の負担上限月額がさらに半額程度に引き下げられる予定でございます。県といたしましては,お話の財政支援等は考えていないところでありますが,授産施設の状況等を十分に把握しながら,これらの施策の適切な実施に努めてまいりたいと存じます。 次に,福祉職員の処遇改善についてでありますが,福祉職員の適正な給与水準の確保は,第一義的には事業者の責務でありますが,とともに給与を含めた経費を賄う報酬等につきましては,これは国が定めているところであります。県では,国に対しまして,介護職員の給与水準や労働実態等を勘案した適切な水準の介護報酬を設定すべき旨などの提案を行っているところでありまして,現在,国において必要な検討を行っているものと承知いたしております。お話ございました賃金特別加算制度を県独自に設けるということにつきましては,考えていないところでございますが,県といたしましては,事業者等を対象にいたしまして,労働環境の改善等に関するセミナーの開催や職員待遇等に関する経営相談等に取り組んでいるところでありまして,今後とも,こうした取り組みを通じまして,福祉職員の処遇改善等に努めてまいりたい思います。 次に,防犯灯の整備でありますが,道路管理者が設置する照明施設は,夜間の交通安全や事故防止を目的といたしまして,交差点や横断歩道などに設置しているものであります。お話の防犯灯は,地域住民を犯罪から守るという観点から,地元の要望を踏まえまして,市町村が対応してきたところでありまして,住居のない地域であっても地域住民の安全のために必要な施設の整備につきましては,これは市町村において対応していただくべきであると考えております。 次に,県民局・支局の再編等についてであります。 災害・危機管理についてでありますが,迅速かつ的確に災害・危機管理対応を行うためには,平素から職員が地域を習熟し,市町村や自主防災組織等と連携することが必要であると考えております。このため,県におきましては,災害情報の収集・伝達等の連携訓練を初めといたしまして,道路・河川パトロール等で把握いたしました危険箇所の情報共有,自主防災組織等の協働によります防犯・防災マップづくり,さらには地域活動団体等との連絡会議の開催など,市町村や住民組織等と連携を図っているところであります。今後とも,こうした取り組みを充実いたしまして,地域庁舎への再編後におきましても,災害時に迅速かつ的確に対応できる体制を構築することとしております。 保健所の体制でありますが,保健所は県と市町村の役割分担を踏まえつつ,新興感染症など新たな健康課題や多様化した県民ニーズに的確に対応できますよう,健康危機管理や市町村に対する支援など,広域的専門的な技術拠点としての機能を一層発揮していくことが重要と考えております。このため,県では,昨年度こうした重点化を図るべき機能などの基本的な考え方を示しまして,関係者の皆様の御意見をお伺いしながら,保健所のあり方を検討しているところでありまして,今後,保健所がこうした専門的な機能を適切に発揮できる体制となりますよう検討を進めてまいりたいと存じます。 次に,派遣労働についてであります。 日雇い派遣についてでありますが,さまざまな求職ニーズに対応した多様な働き方の一つではあると考えておりますが,雇用の安定,社会保険や有休休暇などの労働条件の確保,また,産業人材の育成などの観点からいたしまして,私も好ましいものではないと認識いたしております。 国への要望でありますが,主に登録型派遣のあり方につきまして検討しております国の労働政策審議会が,昨年12月,「労使に根本的な意見の相違があり,有意義な結論に到達することは困難である」として,「労働者派遣制度のあり方について引き続き審議を深めていくべきである」と,中間報告をいたしたところであります。県といたしましては,労働政策審議会の今後の動向を見守ってまいりたいと思います。 次に,倉敷地域の特別支援学校の建設についてでありますが,この地域の今後の児童生徒数の増加見込みと,その主な要因となっております中学校特別支援学級等からの高等部入学者の増加によります教育ニーズの多様化に対応する必要があるという県教委の意見を踏まえまして,今回,比較的軽度の知的障害のある生徒を対象といたしました就労による社会自立を目指す高等部単独の特別支援学校を整備することとしたものであります。倉敷養護学校と今回の新設校がそれぞれの役割を果たすことによりまして,この地域の教育ニーズにこたえていくことができるようになると考えております。 次に,地球温暖化防止対策についてであります。 温室効果ガスの増加原因等でありますが,業務部門でオフィス等の床面積が増加していること,家庭部門で世帯数の増加や新たな家電製品の普及が進んでいることも要因ではありますが,伸び率は全国と同程度であります。一方,本県では,排出量の約8割を占める産業部門において,水島コンビナートの活発な生産活動により,17年の製造品出荷額が前年に比べ9.2%と,全国平均の4.2%を大きく上回って伸びておりまして,このことが排出量増加の主な要因と考えております。このため,産業・業務部門では,事業者による温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度の創設やオフィス等の省エネ改修の促進,家庭部門では地域ぐるみでのエコライフの取り組みに対する助成など,さまざまな施策を講じることによりまして,温室効果ガスの削減を図ってまいりたいと存じます。 地球温暖化防止協定についてでありますが,まず事業者による自主的計画的な取り組みが促進されることが重要と考えております。このため,来年度創設予定の温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度では,事業者に対しまして温室効果ガス削減目標を盛り込んだ計画書の作成と年度ごとの削減実績報告を求めることといたしておりまして,協定の締結は考えていないところでございます。 太陽光パネルに関しまして,目標等についてでありますが,県では,温室効果ガスを6.5%削減するための省エネ分野の実施計画といたしまして,昨年3月に,省エネルギービジョンを策定いたしまして,太陽光発電につきましては,27年度までに住宅用で7万6,000キロワット,業務用で8,100キロワットの導入を目標といたしまして普及を推進しているところであります。 なお,現在の状況は,19年3月末で住宅用が約2万6,000キロワット,業務用が約3,500キロワットと順調に導入が図られているところであります。 家庭への助成制度等についてでありますが,一般家庭への普及につきましては,設置費用がここ10年で3分の1程度と大幅に低下したということ,国の助成制度終了後も年間約1,800件と順調に導入が進んでいることなどから,現状では助成制度を設けることは考えていないところであります。 また,事業所に対する国の補助制度につきましては,関係団体への周知,イベントの開催,ホームページへの掲載などによりまして,今後も積極的なPRに努めてまいりたいと存じます。 専門部署の設置でありますが,お話のように,温暖化防止対策については,生活環境部環境政策課が総合的な取りをまとめを行っているところでありますが,施策は多岐にわたっておりまして,各部局がそれぞれ取り組んでいるところであります。総合的な施策の立案調整,進捗状況の検証につきましては,私が会長を務め,部局長等で構成いたします環境基本計画推進会議が担っているところでありまして,専門部署の設置は考えていないところでございます。 以上でございます。 ○議長(天野学君)  総務部長堀井巌君。   〔 総務部長 堀井 巌君 登壇 〕 ◎総務部長(堀井巌君)  お答えいたします。 県民局・支局の再編等についてのうち,現場職員の声についてでありますが,再編に当たっては,自然災害等に対する初動時の危機管理体制の構築など,地域の実態を十分に踏まえながら対応する必要があると考えております。このため,先般,本庁及びすべての県民局・支局幹部職員を含めた連絡会議を設置するとともに,各支局単位で意見交換などを重ねてきているところでありますが,今後とも現場職員の声を十分に反映しながら検討を進めてまいりたいと存じます。 以上であります。 ○議長(天野学君)  生活環境部長赤田修司君。   〔 生活環境部長 赤田修司君 登壇 〕 ◎生活環境部長(赤田修司君)  お答えします。 大気汚染の監視体制についてでありますが,県では,常時監視測定局等の配置につきまして,昭和59年以降見直しを行っていなかったところでございますが,国から測定局数の水準等を定めた事務処理基準が示されたことから,最近の大気汚染の状況を踏まえ,環境監視に支障が出ないことを第一に,地域の状況を考慮するとともに,地元市町の意見を尊重して測定局の再配置を行うこととしております。特に御指摘の光化学オキシダントにつきましては,昨年5月,中国大陸の大気汚染が主な原因ではないかと思われる状況が広範囲に見られましたことから,今回の見直しで県北にも測定機を配置し,監視体制の強化を図るとともに,注意報などの発令地域を県全域に拡大することとしております。また,市町が設置した測定局のうち,この見直しにより廃止した局の再度の設置につきましては,市町の意見を十分尊重したいと考えております。 以上でございます。 ○議長(天野学君)  保健福祉部長田原克志君。   〔 保健福祉部長 田原克志君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(田原克志君)  お答えいたします。 心身障害者医療費公費負担制度に関しまして,診療人数減少の原因等についてでありますが,診療件数は疾病動向や季節などにより変動するものでありまして,本制度見直し前の同一月と比べ診療件数が増加している月もあるなど,受診抑制が起こっているとは一概に言えないと考えております。また,心身障害者医療費公費負担制度は,給付と負担の公平化を図り,持続可能な制度となるよう見直しを行ったものであり,お話のようにもとに戻すことは考えておりませんが,今後とも,施行状況等を注意深く見守ってまいりたいと考えております。 次に,所得の範囲についてでありますが,心身障害者医療費公費負担制度は,公平で持続可能な制度となるよう,障害者が生活する世帯の負担能力に応じて県民全体でその医療費を支える仕組みとしております。こうした趣旨を踏まえまして,単県制度では生計の実態や負担能力を適切に判断するため,障害者と生計をともにする世帯で所得を判断しているところでありまして,見直しは考えていないところでございます。 続きまして,中国残留邦人への支援に関しまして,新制度に向けた取り組み状況についてでありますが,来年度から新たに生活支援のための給付や日本語教育支援など,中国残留邦人の地域生活を支援する事業が予定されているところでございます。現在,県では,実施主体となる関係市等への説明会を開催するとともに,国等と連携いたしまして,生活支援給付の対象となる方への周知を行うなど,新制度が円滑に実施されるよう努めているところであります。 相談窓口の設置についてでありますが,生活相談等に対応するため,来年度から中国残留邦人に対する理解が深く,中国語ができる方を支援・相談員として,中国残留邦人が居住している関係市の福祉事務所等に配置することが予定されております。配置の形態については,中国残留邦人の人数など,地域の実情に応じて各実施主体において判断することとなっておりまして,県といたしましては,関係市に対します助言を行うなど,中国残留邦人の方々の相談に適切に応じる体制が構築されるよう努めてまいりたいと考えております。 最後に,支援団体等との連携についてでありますが,支援・相談員による生活相談の実施や日本語教室の開催など,新たな支援事業を適切に実施していくためには,中国残留邦人の方々を支援する団体等との連携を図っていくことが重要と考えております。今後とも,これらの団体の方々との必要な連携を図りながら,中国残留邦人の方々への支援策の適切な実施に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(天野学君)  産業労働部長小野隆夫君。   〔 産業労働部長 小野隆夫君 登壇 〕 ◎産業労働部長(小野隆夫君)  お答えいたします。 県営工業団地立地企業によります日雇い派遣についてでございますが,幾つかの入居企業に対しまして電話による聞き取り調査を実施いたしましたところ,一部の企業におきまして,派遣労働者の受け入れがございました。その派遣労働者の派遣期間につきましては,いずれも30日未満の短期派遣労働者の受け入れの実態はなかったところでございます。 以上でございます。 ○議長(天野学君)  農林水産部長古矢博通君。   〔 農林水産部長 古矢博通君 登壇 〕 ◎農林水産部長(古矢博通君)  お答えいたします。 足守川パイプライン化事業についてでございますが,国営事業の再評価は,国が地方公共団体や土地改良区など,関係団体の意見を聞いた上で評価を行い,その結果を利害関係のない学識経験者などで構成する第三者委員会に示し,委員会の公正・中立な意見を踏まえ,今後の事業実施方針を定めるものでございます。再評価の制度上,農家個人の意見を聞く仕組みにはなっておりませんが,第三者委員会の意向により農家から直接説明を受ける場合が生じた際には,県としては再評価における客観性・公平性を確保することは重要であると考えておりますので,そのことを十分配慮した上で意見聴取が行われるよう国に伝えてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(天野学君)  教育長門野八洲雄君。   〔 教育長 門野八洲雄君 登壇 〕 ◎教育長(門野八洲雄君)  お答えいたします。 まず,特別支援教育に係る必要な教育の保障についてでありますが,障害のある子供の教育では,それぞれの障害種に対応した専門性が必要であると認識しております。岡山聾学校への岡山東養護学校の分教室の開設に当たりましては,聴覚障害教育,知的障害教育それぞれの専門性を従来どおり確保していくこととしているところであります。 次に,高等特別支援学校についてでありますが,入学希望者が定員を上回る場合も想定されるため,入学者選抜の実施方法についても検討する必要があると考えております。また,両校は比較的軽度の知的障害があり,公共交通機関等を利用して自力で通学できる生徒を対象として考えておりまして,寄宿舎の計画については考えていないところであります。 教科学習につきましては,知的障害者を教育する特別支援学校の学習指導要領に示されている国語,数学等の普通教科と職業に関する専門教科等で教育課程を編成し,就労による社会自立に向けて必要な力を育てることを目指しているところであります。これらの詳細につきましては,今後さらに検討を進めていることとしているところであります。 以上でございます。 ○議長(天野学君)  20番。   〔 20番 森脇久紀君 登壇 〕 ◆20番(森脇久紀君)  御答弁いただきましてありがとうございました。 1つは,危機管理にかかわってなんですけれども,知事の危機管理体制の構築という点での認識は非常に納得できる認識をお持ちだということはわかりました。だからこそ,人を減らせてしまった後,それができるのか,これが問題になってくるというふうに思うんですね。職員の意見も聞きながらということで,総務部長からも御答弁ありましたけれども。今までも意見は聞くんだけれども,結局,定数削減ということが先にあって,それを進めていってしまってきたと思います。今後それをやってしまうと,まさに取り返しのつかない事態になりかねないと私は思うんです。しっかり意見を聞いて,そしてその意見を反映して,そして知事がおっしゃったような危機管理体制が構築できるように努力するということが,再度の検討が求められているんじゃないかというふうに思います。支局の再編にかかわって,再度お尋ねしたいというふうに思います。 保健福祉の関係で,後期高齢者医療制度について質問したいと思います。 老人福祉法という法律があるのは,皆さんも御存じだと思いますが,その第2条を見ますと,「老人は,多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として,かつ豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに,生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする」,こういうふうにあるんです。ところが,今度導入される後期高齢者医療制度というのは,質問でも指摘しましたように,保険者証の取り上げという厳しいペナルティーまで設定されています。また,75歳を超えた人たちと74歳までの人たちでは,報酬の体系が違うんですね。75歳以上ということだけで診療報酬の体系に差別化が導入されるという,まさに高齢者を病院から追い出すような,そんな仕組みさえ導入されているわけです。老人福祉法の精神にも反しますし,憲法の生存権保障という,この精神を踏みにじるものであると言わなければなりません。ところが,知事は負担の公平性という形で必要な制度とおっしゃいました。こういうひどい制度という認識はないというふうに理解してよいのですね。再度,この見直しについて答弁を求めたいと思います。 3つ目は,障害者医療にかかわってです。 これ障害福祉課からいただいた資料をもとにしてグラフをつくってみました。部長,見ていらっしゃるでしょうか。こちらは平成18年10月,ですから1割負担が導入されたときです。徐々に,月ごとに受診者数が棒グラフです。1年前のレセプト数との比較した比率が折れ線グラフです。もう明らかに減少していますでしょ。季節や月による変化じゃないわけですよ。やはり受診抑制が起こっているとしか,これ言いようがないんじゃないかと思うんですが,これでも公平な負担だということで制度の見直しをしないんでしょうか,再度部長に答弁を求めます。 障害者の授産施設という点で言いますと,工賃倍増計画を立てました。工賃倍増というのは,本当に皆さんが望んでいることだと私も思います。しかし,望んでいるのは,経営的手法を導入するということじゃないというふうに思うんですよ。仕事をどう確保するか,安定的な経営の支援をどうしてもらうのか,そして応益負担など負担の撤廃を図ってほしい,こういうことだと思うんですね。この声にやっぱりこたえていくということが必要じゃないでしょうか。国に対しても制度の見直しを強く求めていただきたいと,私は思います。 もう一つ,地球温暖化防止対策についてですが,岡山県でふえている原因については,企業の影響だと,こういう認識はお持ちなんですけれども,それに見合う対策が余りにも貧弱じゃないかなというふうに思うんです。相変わらず家庭や事業所への協力を求めるだけで,企業に対してそれじゃどうするんですか。確かに目標を持ってもらうということも考えていらっしゃるようですが,自主的な取り組みにゆだねるというだけであって,それが果たしてもらえるものなのかどうかもわからないという状況ですから,ふたをあけてみたら,またふえてましたということじゃ,これは取り返しのつかない問題だと思うんです。意気込みが伝わってこないと言わなければなりません。この温暖化防止対策の協定や目標設定について,再度伺いたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(天野学君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  再質問にお答えいたします。 県民局・支局の再編に関しましてでございますが,先ほども申し上げましたとおり,現場の職員の皆さんにも入っていただきまして,今,検討を進めております。現場の声,そして市町村を初めとする関係の方々の意見,十分にそれらを聞きまして,災害・危機管理体制,これのしっかりとした対応と,これに迅速かつ的確に対応できる,そういう体制を構築していきたいというふうに思っております。 後期高齢者医療制度に関しまして,制度としてのさまざまな御意見を今述べられましたけれども,私といたしましては,国会におかれまして,今後の超高齢社会を展望されまして医療制度を持続可能なものにしていこうという観点から議論が行われたと,そして,その結果,このような制度が導入されることになったというように考えております。現役世代と高齢世代との負担の公平化を図る等々,こういった必要性というものも,大切な観点ではないかと,私といたしましてもこのようにも思っているところでございまして,いずれにいたしましても,国に対しまして制度の中止等を申し入れる考えはございません。 障害者自立支援法につきましても,この見直し等々につきまして,お話をまた再度いただきましたけれども,この制度もこの福祉サービスの利用者を含めて国民みんな全体でこの制度を支え合っていくという,そういう公平な仕組みにしていこうと,こういうことでこれまた国会におきまして種々の議論が展開されましてのこの方向が決まったと,このように承知しているわけでございまして,この枠組みの変更という基本的なことを国に対して求めることは考えていないところでございます。 地球温暖化の防止に関しましてでございますが,確かに事業者によります影響というものが本県におきましては大変大きな要因となっております。これは,もちろん事業者単位では,例えば,本社は東京にありまして,その目標というものは設定されているわけでございますが,岡山の水島コンビナートが大変これは効率性が高いと,非常に利便性も高くて生産効率が高いということから,水島の方にシフトしてきていると工場現場が。こういったような実情があるわけでございまして,こういった中で事業者単位では前向きにしっかりと対応されているわけでございますが,本県といたしましては,大変厳しい状況に相なっているということは,先ほど御答弁申し上げましたとおりでございます。環境面では厳しい状況でございます。この問題につきましては,まず事業者に対しましては,先ほど申し上げました温室効果ガス排出量算定・公表・報告制度,これをしっかりとこの制度によりまして事業者の協力をいただきながら対応していくと,そして事業者だけではなくて生活面,それは家庭面においてでございます,あるいは運輸面等々,いろんなところで県民総ぐるみでこの地球温暖化対策に対応していくと,こういうことが大変重要ではないかと考えております。もちろん,事業者も含めて,この目標達成に向けましてこれからも全力で対応していこうというふうに考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(天野学君)  保健福祉部長田原克志君。   〔 保健福祉部長 田原克志君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(田原克志君)  お答えいたします。 心身障害者医療費公費負担制度に関しまして,診療人数の減少の原因等についてでございますけれども,先ほど申し上げましたように,診療件数は疾病動向や季節などにより変動するものでございます。例えば,本制度の見直し前につきまして,平成18年3月,4月,5月というのと,平成19年3月,4月,5月の診療件数を比べますと,平成19年の方が診療件数が増加しているというようなこともございますので,必ずしも受診抑制が起こっているというふうには言えないのではないかと考えております。 以上でございます。 ○議長(天野学君)  20番。   〔 20番 森脇久紀君 登壇 〕 ◆20番(森脇久紀君)  お昼にもなっておりますけれども,もうしばらくおつき合いを願いたいと思います。 障害を持った人たちの医療費補助制度の問題ですけれども,この負担増によって,障害者の方々は,大体ですけれども月々1億5,000万円負担増というふうになっているんですね。年間にして18億円の負担増なんですよ。その分,市町村や県の負担というのは軽くなっていると思うんですけれども,それぐらいの負担というのは,障害を持った人たちの命を守ろうという観点に立てば,県や市町村として財源を工面できないはずはないと,私は思うんですね。平等・公平性を保つためだというふうにおっしゃっていますけれども,自力でできないもの,それに対してきちんと支援して,平等にしていくというのが行政がすべきことではないかというふうに思うんです。受診抑制でないと,相変わらずおっしゃっているわけですけれども,本当にこれでいいのかというふうに,私は思います。命を削れというんじゃなく,命を守って安心して生きていってくださいよと,そういうふうな制度を県としてつくっていくべきじゃないでしょうか。部長に対して再度見直しを繰り返し求めたいというふうに思いますので,よろしくお願いします。 次に,後期高齢者医療制度についてですけれども,厚生労働省の社会保障審議会の特別報告というものがありまして,後期高齢者の心身の特性というものについて幾つか述べているんです。老化に伴う生理的機能の低下により,治療の長期化,複数疾患への罹患が見られる。多くの高齢者に認知症の問題が見られる。いずれ避けることができない死を迎える,こういう特徴があるというんですね。病気が長引く,いずれぼけてくる,いずれ死んでしまうんだ,だから診療報酬についても差別化してもいんじゃないか,こういうふうにしか読み取れない。そして,国の医療費の削減をねらおうとしていることに,本当に私は腹が立っております。今,全国的に中止や撤回を求める意見書がどんどん採択されておりまして,地方議会では512に上りました。これ12月までの時点です。今,開かれている2月,3月議会でさらにふえることも予想されます。岩手県,東京都,高知県,長野県,福島県,京都府などでは,市町村の過半数を超えて採択がされておりますし,県の見直しを求める意見書採択というのも徐々にふえているというのが特徴なんです。こういう矛盾した制度というのが日に日に明らかになっているわけですから,やはりここの実態をよく聴取していただいて,市会などにも聞いていただいて,県として必要な対策を講じていくということが,今,求められているんじゃないでしょうか,後期高齢者医療制度について知事の考えを再度お願いしたいというふうに思います。 地球温暖化の問題は,質問にはしませんけれども,人類の生存がかかった本当に緊急事態だと私は思うんです。確かに,水島の企業が活発になって,そこで雇用もふえるという状況になる,これはいいことではあるわけですね。それを決して否定するわけではありませんし,その足を引っ張るつもりもありません。だけども,その活発化したことに見合うエネルギーの転換といいましょうか,あるいは省エネといいましょうか,そういう対策というのをきちんと講じなければならない,これは企業の責務だというふうに,私は思うんです。しかも,水島にある多くの企業が地球温暖化防止活動推進センターの指定がなされている県環境保全事業団の理事企業でもあるわけですから,県民にも見える積極的な役割を果たしてもらうように,県としてももっとイニシアチブをとる必要があるんじゃないかなというふうに,私は思っておりますので,今後も,一層環境先進県と言えるなと,県民の皆さんに言ってもらえるような取り組みを,ぜひ強く求めたいというふうに思います。 最後,要望ですけれども,原油高騰問題で,これも産業界にとっても死活問題ですし,何よりも低所得の方々……。 ○議長(天野学君)  森脇君,結論を急いでください。 ◆20番(森脇久紀君)  (続)はい。生活必需品がどんどん値上がりしておりますよね。低所得者への支援というのも急がれます。こちらでも,ぜひ今後の御検討をよろしくお願いいたしまして,時間が参りましたので,要望とさせていただきます。 障害者の単県医療費の問題と後期高齢者医療制度について答弁をお願いしたいと思います。 ○議長(天野学君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  再々質問にお答えいたします。 後期高齢者医療制度につきましてでございます。 各地方自治体等においてのさまざまな意見書採択等についてのお話も,今お聞きいたしました。いずれにいたしましても,国において,先ほど申し上げましたような観点から制度の導入がなされたというふうに受けとめているわけでございまして,県といたしましては,今後ともこの制度が適切に運営されますように,広域連合あるいは市町村に対しまして必要な助言等に努めてまいりたいと,このように考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(天野学君)  保健福祉部長田原克志君。   〔 保健福祉部長 田原克志君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(田原克志君)  お答えいたします。 心身障害者医療費公費負担制度につきましては,給付と負担の公平化を図り,持続可能な制度となるよう見直しを行ったものでございます。自己負担の限度額につきましては,低所得者の方々に一定の配慮を行っておりまして,この制度につきまして,もとに戻すということは考えておりませんが,この制度の施行状況等につきましては注意深く見守っていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(天野学君)  以上で午前の会議を終わります。 この際,午後1時40分まで休憩いたします。        午後0時33分休憩   ~~~~~~~~~~~~~~~        午後1時41分再開 ○副議長(河本勉君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 33番井元乾一郎君。   〔 33番 井元乾一郎君 登壇 〕 ◆33番(井元乾一郎君)  自由民主党の井元乾一郎でございます。 通告に従って一般質問をさせていただきます。 物事を存分に構築していかれた経済成長期から物事を取り崩す,いわばぜい肉をそぎ,堅牢な骨肉を養いながら経済減速期の県政を牽引してこられている石井知事であります。だれしもすぐに回復すると見ていた経済も減速の状態が長く続き,これが常態と認識せざるを得ない現今であります。知事におかれては,就任以来,職員を減らし,機構を改革し,事業を選別・削減し,かつ借金を返済していきながら,なおも借金するという困難の中で,夢づくりプランを骨肉として県政を推進するかじ取りをしてこられました。全国的なこととはいえ,経済成長期をの思いを持つ衆目の認識を新たにしながらの施策の展開は,困難を要したと認識いたしております。もちろん今は,もう県民皆さんが十分認識しておられることでございます。 さて,早いもので,石井県政3期目,最終年の予算編成であります。さまざまな思いを込められたことと思われますが,幾つかお伺いいたしたいと思います。 まず,県民に軸足と中山間地域対策についてでございます。 知事は,これまで常に県民に軸足を置いた県政運営を心がけるとされてまいりました。しかし,県民局の再編やら住民に身近な施策は市町村でをモットーに進められた事務・権限移譲などで,県民に直接かかわる窓口は随分市町村へ移行されました。さらに,国の出先業務は県が分捕ろうとしているわけですから,県はおのずと国に軸足比重が大きくなってきていると言ってもいい状況に思われます。しかし,私はあくまでも県民に軸足を置いた県政運営を願いたいと思いますが,御所見をお伺いいたします。 現実,行財政改革などの農家の指導体制の見直しなどによって,県民の皆さんから県職員は遠のき,より一層顔の見えない県政になってきております。知事は,予算説明で,中山間地域活性化推進本部を設置するとされました。過去に条例も設置され,私もいろいろ質問させていただき,もっと早くにとの思いもありますが,大きな期待を寄せております。かの道元は,修行衆に大衆に従って修行すること,心得や秘訣などを学び,知識をふやそうと考えるなと教えております。これに従い,私は,推進本部は中山間地域の皆さんとじかに顔を向き合わせて,県の顔の見える希望が実感できる事業推進になることを強く願います。推進本部設置に当たって知事のお考えをお伺いいたしたいと思います。 次に,中山間地域の高齢者世帯についてでございます。 自由民主党代表質問で,小田議員は,限界集落という名称の検討を要請されました。全く同感であります。積極的な御意向は示されませんでしたが,この質問だけでもこの集落に,米寿,卒寿,白寿の皆さんの比率が高いことから,勝手に温かみのある寿集落とさせていただきたいと思います。 さて,この寿集落を含む中山間地域の高齢者の皆さんの思いには,大きな変化があるように見受けております。幾年か前まで,多くの高齢者の皆さんが,自分は家にいつまでも住もうと思っている,この年金があればまあ何とかなると人生設計を立てられて語っておられました。しかし,今は,その年金から税が引かれ,介護保険料が引かれ,医療費が必要となり,米代は大幅に下落して,まさに政治に翻弄されて生活設計が全く立たなくなった現実があります。そこには,あきらめとともに怒りであります。農業をしておれば自分の食べるものだけは何とかなるけんと,最後のよりどころの言葉を言われるようになりました。ですが,故障の出る年齢でのこの言葉は,何とも厳しさを感じざるを得ません。限られた収入に頼る以外にない高齢者世帯の皆さんには,何が求められているか,農業経営さえも困難な皆さんから搾取をしないでほしい,このことであります。さらに,県と市町村の分権は,仕事の押しつけ合いとしか映りません。実際には,福祉バスを初め多くの分野で自治体サービスは低下しているのであります。加齢とともに厳しさを増し,「快適生活県おかやま」を実感できにくくなっている高齢者の皆さんが,住みなれた地域で安心して生活ができるため,中山間地域の高齢者福祉対策について,知事はどのように対処されようとしておられるのか,お伺いいたします。 次に,中山間地域の安全と安心についてでございます。 こうした地域のお年寄りをねらってきますね。リンゴ売りやら生活用品売りなどの訪問販売,容赦なく売りつけていきます。隣近所が多ければ何とかなりますが,ぽつり一軒家では言われ放題であります。家のそばまで出没のイノシシが人を死に追いやったとは聞きませんが,人間が見知らぬ人を殺害した話は,県内でも聞きますから,人間が一番怖い。お年寄りばかりではなく,長い田舎道を通学する児童生徒に,親の心配は大きい。 ところで,現在,県内の自主パトロール隊は600団体5万数千人になんなんとするとのことであり,パトロール中のステッカーを張った車両や自転車が往来するなど,安心・安全のまちづくりに対する県民皆さんの意識が向上していることがうかがえます。県北でも,学校,PTA,地域の自主活動団体が精力的に活動しており,自主パトロールに熱心に取り組む団体が児童の登下校時の見守り活動や学区の危険場所の安全点検を行い,青パトが活躍しております。しかし,こうした関係者の自主活動が盛り上がる一方で,他の県民の皆さんの意識はまだまだ低いのではないかと心配します。県は,寿地域など,地域を対象にしたさらなる普及啓発が必要と思いますが,御所見をお伺いいたします。 次に,認知症高齢者対策でございます。 高齢者の皆さんが最も心配しておられる一つに,認知症があります。特に,寿地域を初め中山間地域の独居高齢者やら高齢者世帯ではなおさらであります。患者になれば本人はもとより家族の生活をより深刻化させます。現在,県内の認知症高齢者は約4万人と推計されておりますが,今後,団塊世代が高齢者となり,認知症高齢者も一層増大していくことも予想されます。認知症の中には,治療が可能なものや医療により症状が軽減されたり進行をおくらせることができるものがあると聞きます。医療格差も心配ですが,医療機関と連携して,各地域で早期発見・診断をより一層推進する必要があると思いますが,どのように取り組まれるのか,お伺いいたします。 さらに,今後,独居高齢者やら高齢者世帯が増加するとすれば,社会全体で支援する体制づくりが必要かと思われますがいかがか,お伺いいたします。 次に,都市部の人への兼業の勧めでございます。 我が国は,戦後の高度成長期に向かい,農山村から若者が都市部に流出が続き,農村部は高齢化に拍車をかけてまいりました。さらに,近年は,木材やら農産物の輸入自由化による日本林業・農業の衰退とともに,農山村も衰退の一途をたどってきているのであります。先進国の特徴といえばそれまでですが,工業を優先し,第1産業を二の次にして,自給率を低下させてきた経済大国日本ならではの軌跡であったと思われます。さらに,近年,高齢就農農家が長年課題とされてきました。今,現実に空き家がふえ,離農につながり,耕作放棄地をふやしております。先般,「東京のビルの地下で農業」とのふれ込みの視察を行いました。がとても,我々からは農にほど遠いものを感じました。しかし,それでも農に関心のある人材を発掘し,農に人材を派遣しようとする農と労を結びつける民間の取り組みに大きな意味があるように思われたのであります。知事におかれては,こうした状況にかんがみ,長く新規就農者の開拓に力を入れてこられました。特に,大阪などのセールスでは,大きな関心を集められたとのことであります。ところで,農業も小規模だと365日のうちそれほどの日数を要するわけではありません。形態はいろいろと考えられると思いますが,県内の都市部の非農家他産業従事者の皆さんに農業との兼業の勧めを説き,積極的に仲介の労をとられたらと思います。そのことが現地の高齢就農者の知恵と家屋,農地など資産を生かし,中山間地域の活性化につながると思います。予算はなくとも仕事はできると思いますがいかがか,お伺いいたします。 次に,岡山の子供たちについてでございます。 先日,議員の有志で国際貢献の現場を視察するためにカンボジアを訪問しました。私も仲間に加えていただき,参加いたしました。本題の地雷除去の活動内容はもちろん,国情やら生活のさまやいろいろと感じることは多くありました。家畜との同居やら穴ぼこだらけの地道をほこりを巻き上げて走る車など,農村地方は昭和30年代後半の日本の農村風景だろうかとも思わせました。もちろん自動車やら大型農機具やらは現代であります。そんな中で,特にそこここに多く目につくはだしや草履で戸外に遊ぶ子供たちが生き生きとして目を光り輝かせ,まさに高度成長期の日本を支えた子供たちのそれに似ている希望の姿に感動したものでございます。日本でも,子供たちが自然,風土にまみれて生きる姿の再現こそが今日の青少年の病魔とも言える部分をいやしてくれるのではとの思いを抱かせ,日本の私たちの生活は何か大切なものを失っている,そんな思いを起こさせたのであります。現地で日本語を指導されている岡山県出身の先生は,「ここの子供たちは,よそ見もむだ話もしないで一生懸命に勉強する」と申しておられました。今の日本の田舎がよいとは申しませんが,しかし衣食住の自然の教材が豊富にあることは言えると思います。知事におかれては,これまで里山の整備など手をつけられ,その活用に私も期待を抱きましたが,今は余り聞きません。岡山の教材を生かし,大いに活用していただきたいと思います。教育委員会は,教育に一生懸命に当たっていただいておりますが,知事におかれては,岡山の子供たちをどのように育てていきたいとされているのか,お伺いいたしたいと思います。 以上,中山間地域を主題にお伺いいたしましたが,次に倉敷チボリ公園についてでございます。 経済成長期に計画を立てられ,引き継がれて石井知事がオープンされました。時既に経済停滞期に入っていたと思います。以来,国民がレジャー志向から遠のいていく,あるいは近くの京阪神に大型レジャー施設が開設されるなどの厳しい環境の中を運営してこられました。懸命に役目を果たして今日に至りましたが,計画から運営まで,県のみでなく多くの県民皆さんから物心両面にわたって大きな支援をいただいた施設であります。経済の減速が常態化した今日,おおよそ県の行き先が見えているように思われます。知事におかれては,県民皆さんのことを考えられての一連の言動だと拝察いたしております。しかし,保身にすぎれば必ず信を失うとも申します。ここは政治家として時期を逸することなく,十分な説明と感謝でもって決意をあらわし,実行していただきたいと願います。御所見をお伺いいたします。 次に,県有財産の移譲についてでございます。 市町村合併によって使われなくなった公共施設が生まれたと思います。使用頻度が少なくなる中で,最大限活用しなければならないという使命感と,これまで地域の公共施設として住民皆さんから愛着のある施設を粗末にすることはできないという責任感で,市町村は運営されていることと思います。一方,県は,形態はさまざまですが,数々の県有施設を市町村運営とするようお願いしてまいりました。受け入れた市町村の御苦労も大変だと思いますが,立派に活用しているのを見るにつけ,ありがたく思われます。分権等によってまだまだ市町村にお願いしたい,そんな県有施設があると思います。津山市にある県婦人青年の家もそんな施設の一つではないでしょうか。施設は,建築後相当年数が経過もし,さらに今日的活用には幾らかの改善も必要でしょうから,嫁ぐ施設に繕いも化粧もして送り出し,地元で長く活用してもらってはいかがでしょうか,教育長の御所見をお伺いいたします。 さて,団塊世代の退職が始まりました。県職の皆さんも多いとのことであります。高度成長も支え,低迷も味わっての御退職です。御活躍に敬意を表させていただきたいと思います。この後は,高齢・少子で社会保障は多くを望めません。世界一の長寿国です。何よりも健康第一を心がけていただきたいと思います。 以上,御質問を終わります。 ○副議長(河本勉君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の井元議員の質問にお答えいたします。 中山間地域対策についてであります。 まず,県民に軸足を置いた県政運営ということでございますが,私は就任以来,対話の県政,開かれた県政を基本といたしまして,常に県民の視点に立った県政運営を心がけてきたところでございます。お話いただきました市町村への事務・権限の移譲は,住民の意思を適切に反映し,地域のニーズをより的確に対応した迅速で一貫した行政サービスの提供を可能とするという目的で取り組んでいるものでありまして,また,全国知事会等で現在議論を進めております国の出先機関の見直し等につきましても,住民に身近な行政サービスを地域の実情に即して行うという,地域の自主性自立性を重視した分権の理念を実現するためのものであると考えているところでございます。いずれにいたしましても,県政は県民の幸せと豊かな生活の実現のためにあるとの信念のもとに,今後とも私みずから青空知事室等で直接県民の皆様の御意見,御要望等をお伺いいたしますなど,住民や地域の意向の把握に十分努めながら,県民本位の県政運営により一層努めてまいりたいと存じます。 推進本部設置の考えでありますが,中山間地域の活性化は喫緊の課題であると認識しておりまして,全庁挙げまして部局横断によって,総合的かつ戦略的に施策・事業を推進していきたいと,このように考え,私を本部長といたします中山間地域活性化推進本部をこのたび設置することとしたものであります。この推進本部の統括のもと,既存の事業に加えまして,来年度新たに創設することといたしました中山間地域等特別支援事業を活用いたしまして,集落機能再編強化の取り組みとか,あるいは地域の創意工夫を生かした活性化の取り組みを支援いたしますとともに,地域住民の交通手段の確保や生活交流基盤の整備に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。また,事業の推進に当たりましては,県民局・支局を中心といたしまして,県職員も現地に足を運んでもらいまして,地域の声を十分にお聞きしながら市町村と緊密に連携いたしまして,地域と一体となって中山間地域の活性化に取り組んでまいる所存であります。 高齢者福祉対策でありますが,県では,中山間地域を含め地域包括支援センターが行う総合相談や高齢者への訪問指導,高齢者を地域ぐるみで支えるネットワークづくりなど,高齢者の地域での生活を支える環境整備に努めてきているところであります。来年度からは,中山間地域活性化推進本部を設置いたしまして,全庁挙げて中山間地域の活性化に取り組むこととしておりまして,その中で,医療・福祉など高齢者の地域生活を支える環境づくりを推進してまいりたいと存じます。 安全・安心まちづくりの普及啓発でありますが,県といたしましては,県民への啓発活動は,中山間地域などそれぞれの地域ごとの実情を踏まえたきめの細かい取り組みが大切だと考えております。このため,新年度には毎月第2金曜日を犯罪ゼロの日と定めまして,市町村や自主活動団体などと連携しながら,地域ごとの犯罪発生状況や手口などを踏まえました街頭啓発を行うなど,犯罪の未然防止に取り組むことといたしております。さらに,地域を循環している青色防犯パトロール車に,振り込め詐欺に対する注意喚起など,犯罪防止に関する啓発放送を行ってもらうため,近日中に自主活動団体に対しまして放送機材とかあるいは啓発用テープを貸与する取り組みを実施することといたしております。 認知症高齢者対策に関し,早期発見・診断についてでありますが,県では,早期発見・診断の推進のために,医療機関と行政の連携会議を設置いたしますとともに,現在,県医師会との協働によりまして,かかりつけ医を対象といたしまして,認知症への対応力向上のための研修を実施しているところであります。また,この研修を終了いたしました医師やその医師を支援する認知症サポート医につきまして,ホームページで県民に情報提供していきたいと考えておりまして,今後とも各地域での早期発見・診断が一層進むように取り組んでまいりたいと存じます。 支援体制づくりでありますが,認知症高齢者とその家族が住みなれた地域で安心して安全に生活するためには,地域の支え合いが不可欠であるということから,県では,地域のネットワークづくりを支援しているところであります。来年度からは,地域包括支援センターにコーディネーターを新たに配置いたしまして,地域の人材や施設等の地域資源をネットワーク化いたしまして,認知症高齢者等の支援体制づくりを行うモデル事業に取り組みたいと考えております。今後,その成果を全県へ波及することによりまして,高齢者やその家族を地域で支えるための環境整備を推進してまいりたいと存じます。 都市部の人への兼業の勧めでありますが,お話のように,高齢化や担い手不足等によりまして,多くの農山村では,空き家や耕作放棄地が増加している現状にあります。この対策の一環といたしまして,市町村が空き家や空き農地等の情報を収集・発信し,主に団塊世代を農村地域に呼び込む取り組みに対しまして,本年度これを県が支援する制度を設けたところであります。今後は,広く都市住民を対象といたしまして,農山村が有しております伝統文化や美しい景観,豊かな自然環境など,農村生活のすぐれた面を積極的に情報発信することで,より多くの人々に農ある暮らしへの参加を促していきたいと考えております。こうした取り組みの中で,兼業農家を目指す方々に対しましては,その実現に向けまして積極的にこれを支援してまいりたいと存じます。 岡山の子供たちについての御質問をいただきました。私も以前カンボジアで子供たちに接したとき,本当に生き生きと元気に一生懸命勉強しておられる,そういう姿を拝見いたしまして,大変私も心強く思ったわけでございます。そのとき会った一人の女の方が,今,学芸館高等学校で勉学をしていらっしゃって,私もその留学の成果を大変楽しみにしているところでございます。 御質問は,岡山の子供たちについてというお尋ねでございます。私は,子供たちは岡山県の将来を担う大切な宝でありまして,彼らが心豊かにたくましく育ち,そして思いやりの心を持って命の大切さがわかるような,そういう人になるということを強く願っております。このためには,お話いただきましたように,里山など中山間地域の自然を初めといたしまして,岡山の豊富な自然を生かしましたさまざまな体験活動というものが重要であると考えておりまして,これまでも農林業体験学習などに取り組んでまいりましたが,今後とも,子供たちがこうした体験をできるだけ多く重ねられるような環境づくりに,市町村等と連携を図りながら積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 最後に,倉敷チボリ公園についてでありますが,チボリ公園事業は県民の皆様方の御理解と御協力をいただきながら取り組んできたものでございまして,関係の皆様方に改めて感謝申し上げる次第でございます。今議会の提案説明におきまして御説明させていただいておりますとおり,チボリ・ジャパン社によります公園運営は,本年12月末までとし,その後は土地所有者等の新たな構想の中でできるだけ公園等が残され,そして活用されるよう,チボリ・ジャパン社等と一体となって要請していく以外にないのではないかと考えているところでございます。しかしながら,今後の公園の基本的な方向,これはこれまでもたびたび申し上げておりますように,会社の経営方針と県が打ち出していく公園の基本的な方向というものは,これは基本的には一致する必要があると考えているところでありますが,県としての判断する前の同社の取締役会での方向性というものが,いまだこれが示されていない状況にあるところでございます。私といたしましては,今議会での議論とか,あるいは次回取締役会での結論というものを踏まえました上で,県政の責任者といたしまして,適切に判断いたしまして,決断をすべきときにはもちろん決断いたしまして,県民の皆様,そして出資者の皆様方に対しまして十分に御説明申し上げてまいりたいと,このように考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(河本勉君)  教育長門野八洲雄君。   〔 教育長 門野八洲雄君 登壇 〕 ◎教育長(門野八洲雄君)  お答えいたします。 県有財産の移譲についてでありますが,お話の県津山婦人青年の家は,美作地区の方々の要望を受けまして,昭和56年に設置し,津山市に管理委託を行ってきた施設でありますが,平成18年4月からは津山市が管理者となる指定管理者制度を導入しているところであります。県としましては,これまでも津山市とその管理運営に当たりさまざまな協議を行ったり,必要に応じて施設の老朽化に伴う改修をしてきておりますが,現在行っております耐震診断の結果によりましては,来年度補強計画やその実施設計を行う予定であります。今後とも,津山市とよく連携を図りながら施設の有効活用の方法等について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(河本勉君)  14番浅野實君。   〔 14番 浅野 實君 登壇 〕 ◆14番(浅野實君)  14番浅野でございます。 県議初当選以来3回目の登壇となりますが,貴重な機会を与えていただきまして感謝申し上げます。 通告に従いまして質問いたしてまいりたいと思いますが,一部所管委員会の事項に触れる箇所がありますが,質問の関連性の問題の続きでございます。どうかよろしく御容赦のほどお願いいたします。 まず,今回は農林業,総括して農業,林業畜産絞りまして質問いたしてまいりたいと思います。 1つは,まず農業問題でございますが,国政における日本の農業問題を受けまして,本県での施策,本県での独自な取り組みについて,基本的な考え方を知事並びに関係部長,教育長にお尋ねしてまいりたいと思います。 まず,世界の食料問題でございますが,現在,世界の人口が約65億,そして2030年には83億になると推定されておりますが,現在約8億5,000万人の方が飢餓に苦しんでおり,また,20億人以上が微量栄養素欠乏という実態があります。飽食の我が国では考えられない現実でありますが,現に開発途上国ではこれが現状であります。このような現実の中で,主要先進国12カ国の穀物自給率及びカロリーベースでの自給率を少し数字で挙げてみますと,日本は穀物自給率ではしりから2番目,カロリーベースでは最下位であります。ちなみに,我が国の穀物自給率を数字で示してみますと,1961年,昭和36年でございますが,現在が1961年の,その当時から40年たった現在,75%穀物自給率であったものが今27%に落ち込んでいる,40年間で50%減っておると,こういう現実であります。これは,穀物自給率の問題でありますが。ちなみに,その他の主要国でありますが,40年の推移の中で,オーストラリアは299%だったものが333%,スイスが一番低かったわけですが34%から49%。ドイツは63%から101%,その他の国々もほとんどの国が100%に近い,また,超す自給率を誇っております。いかにそれらの国々が国家として食料問題に努力しているということがわかります。 我が国では,十数年前から,カロリーベースで自給率を45%までに持っていきたいと,この目標を掲げていましたが,悲しいかな,平成18年度では39%,ついに40%を割り込みました。突然の気候変動,あるいは突発事故,あるいは輸入がとまったと,こういうことになると安閑としてはいられない気持ちになります。我が国は,既に6割以上を輸入に依存しているわけでありますが,このままでいくと,日本は近い将来,食料不安国の仲間入りをするということが,数字が示しております。何としても食料自給率を高める必要があります。食料自給率を向上させるためには,本県独自で取り組むということは,甚だ難しい問題です。これは,我が国が米の生産調整に苦労している中で,例えば,輸入小麦が,今,高騰しておりますが,本県独自というわけにはいきませんが,本県初というユニークなことで,玄米でパンをつくる,そういうことで米の消費拡大,岡山発の全国に発信できる一つの事例も出してみたらどうかと,基本的な考え方を知事にお願いいたします。 さてそれから,現在,国におきましては,19年度から品目横断的経営安定対策をスタートさせておりますが,この大施策はこれまで全農家を対象にした品目別の価格支援策から,一定の要件を満たす担い手に対象を絞り,対象品目全体の価格支援対策に転換したものでありますが,その内容は,諸外国との生産条件の格差から生じる不利益の補てんあるいは収入減少の影響を緩和するための補てんから成っています。初年度の本対策への加入要請の状況や農業者,関係者の意見を踏まえ,昨年12月に地域の実態に即した制度の見直しが行われ,名称も水田経営所得安定対策に変更されました。その見直しの内容と県としての今後どのように取り組んでいかれるか,農林水産部長にお伺いいたします。 次に,地域における農業指導についてでありますが,現在,勝英地区では,黒大豆が非常にブランド化して,市場をある程度席巻しておりますが,蒜山のソバ,大根あるいはまたピオーネ,桃,マスカット,産直野菜,岡山を代表する農産物がいろいろあります。今後,適地適作を考え,産地化を進めていくためには,農林水産事業部,中でも農業普及センターは地域密着型として今後大きな役割を果たすのではないかと思いますし,また,果たしてもらわなくてはいけません。それぞれの地域の実情を踏まえ,県としても頑張っていただきたいと思いますが,地域に密着した今後の農業指導について,農林水産部長の御所見をお伺いいたします。 次に,学校における食育の問題でありますが,食はそもそも人間が生きていく上での基本的な営みの一つでありますが,今この食の安全というものが取り巻く環境が非常に変わっております。朝食の欠食あるいは偏った栄養摂取,一人で食事を食べる孤独な問題等指摘されているところでありますが,こういった状況を受けまして,教育現場では全国的に種々な食育への取り組みが行われております。お隣の香川県の一部を申しますと,子供がつくる弁当の日と,こういうものを決めまして,子供みずからがみずからの弁当をつくることにより,それまで食事というものは黙っておればお母さんが食卓へ出してくれると,こういう感じから,弁当をつくってみて体験するということが,非常に食に関する関心を持たせるという事例が,これは成功事例としてあります。我が県の学校における食育への取り組みについて,どのような創意工夫がされているか,教育長から具体的にお示しいただきたい。 また,先ほど申し上げました食料自給率の向上に向けた米の消費拡大とも関連いたしますが,学校給食での地場産業の活用を進めることは,子供たちの生産者に対する感謝の心をはぐくみ,地域の特産品や食文化を伝承すると,こういうことで非常に意味合いがあろうかと思います。本県学校給食における地場産業活用の状況はどのようになっているか,また,学校給食への地産地消を推進するには,量の確保も必要であり,市場との連携や流通システムの構築が重要でありますが,どのように取り組まれているか,あわせて教育長にお伺いいたします。 次に,森林振興についてでございますが,本県では,県土の70%が山林,森林であります。森林の持つ多面的機能としては,周知のとおり,木材生産のほかに大きなくくりとしましては,地球温暖化の抑制,CO2の吸収あるいは水源涵養,また山地災害,生活環境保全,保健文化的活動の場の提供等,公益的な要素がたくさんあります。これは金額では甚だあらわしにくい問題でありますが,全国では74兆円,本県でも1兆3,000億円と試算されております。これらの公益的機能が高度に発揮されるためには,長期的なスパンの森づくりが必要であり,そのためには県民の理解と協力が不可欠であります。本県においても,美しい森事業で10カ所,おかやま共生の森で9カ所が行われました。そして,森の持つ必要性というものを県民の方々に知っていただき,気軽に森林活動へ参加できる環境整備のための施策を実施してこられました。私も町長時代,勝山美しい森でドングリやコナラの植栽,また,樹齢の長い山桜系エドヒガン,オオヤマザクラを多くの御参加と,県あるいは財団法人日本さくらの会の応援をいただきながら50ヘクタール余りに5年がかりで植栽いたし,石井知事さんにも参加いただき,記念植樹して百年での森づくりの大計に踏み出したわけであります。森林の持つ多面的機能に期待が高まる中,今後の県民参加の森づくり等について,知事の御所見をお伺いいたします。 また,おかやま森づくり県民税が創設されて来年3月で5年の期限が参ります。先般,一回生議員の勉強会を開いたところでありますが,森づくり県民税は本県の森林の維持保全を図っていく上でぜひとも必要であるという認識に至ったわけであります。継続は当然であるものと考えております。現在,本税を財源として水源涵養,県土の保全などの森林の持つ公益機能を高める森づくり,森林整備を推進するための担い手の育成確保と木材の利用促進,森林・林業に関する各種情報の提供と森づくりの活動の推進という3本の柱に沿いまして,各種の森林保全事業を推進されているところでありますが,今年から京都議定書の温室ガス削減目標の達成に向けた第1約束期間に入ります。本県におきましても,平成22年度までに温室ガスを6.5%削減しなくてはならないという目標を掲げ,排出抑制対策や森林吸収源対策を進めています。しかしながら,エコビジョン2020によると,温室ガス排出量は我が国全体では基準年と比較して平成17年度で7.8%,本県では15%増加しています。本県の目標達成には18.7%の削減が必要であり,極めて厳しい状況であります。先ほど水島の臨海工業の話もありましたが,こういう問題も裏では出ております。 そこで,新たな活用策として,地球温暖化防止対策を強力に推進するため,国庫補助の対象となっている間伐などの森林整備については,県民税を活用し,県の義務的負担部分充当や森林所有者の負担を軽減させ,より一層の促進を図られるべきでありと考えますが,本件につきましても,知事の御所見をお伺いいたします。 次に,林業生産活動の採算性の向上についてお伺いいたします。 本県森林のうち約40%が杉,ヒノキなどの人工林でありますが,木材低迷の問題や木材利用の大勢を占める住宅について,建築基準法の改正による新築戸数が激減し,大変心配いたしております。現在,総木材需要量に対し,外国産材が何と80%入っているという実態があります。今後,各国での資源問題や価格高騰あるいは輸入量が減少してくるのは明白であります。木材は,我が国でうまくサイクルをやれば再生可能な自給品目であり,米とともに国内自給率を高めていく必要がある品目であります。そのためには,森林所有者に少しでも多くの収益が還元できるように,仕組みづくりとともに木材需要に対応した供給を確保することが重要であります。ついては,森林生産活動の採算性の向上と木材の安定供給対策に向けた県の取り組みについて,知事にお尋ねいたします。 次に,木材の利用推進についてでありますが,昨今は多様な建築様式によるRC,鉄骨,ツーバイ工法等あり,それぞれのよさはありますが,やはり日本の風土にマッチした従来の工法の木造住宅は最適であります。本県では,県産材を使用しつつ一定の要件を満たした住宅に対し,主要構造具材の県産材の使用量に応じ補助金を出しております。1戸当たり10平米未満が30万円,10平米から20平米までが40万円,20平米以上が50万円を助成するわけでありますが,何さま助成枠が県下で200戸しかないということで,十分な実績が上がっていないと思います。財政的には最前来出ておりますように大変厳しいわけでありますが,こういうことにより,木材需要の拡大,ひいては林家が元気になり,また,その中山間地で山林労務者で山で働く人の増加,多面的な効果が期待できるものと思います。住宅建築はもとより,公共施設等での木材利用を進めるためには,どのような取り組みを考えておられるのか,知事にお伺いいたします。 また,最前触れました,私の所管に触れることですが,建築基準法の改正により,建築確認審査が厳格にされたために,木材需要に影響があると考えられる新築住宅戸数が減少するという状況になりました。県では,改正法の円滑な施行に向けて,改正の趣旨や新しい申請書の作成方法等周知するために,特定行政庁と民間建築確認機関との連絡会議や設計関係団体の説明会等を実施し,国に対しては,構造計算用ソフトである大臣認可プログラムの早期認定などを申し入れたと聞いておりますが,県内で最近における3カ月程度のすべての建築物の着工床面積の状況がどのようになっているか,また,新築住宅戸数のうち特に木材需要の大きい持ち家の状況はどうか,また,どのような対策を講じているか,あわせて土木部長にお伺いいたします。 次に,バイオマス燃料の事業化についてお尋ねいたします。 今後のエネルギー問題の一つに,バイオマスは非常に大きなウエートを持ってくると思いますが,ここでは木質に絞りましてお伺いいたします。 私が真庭市では,全国に先駆けてバイオマスの利活用に取り組んでおる企業があります。その企業では,自家発電はもちろん,すべて全工場を賄い,残りは売電もしています。また,ペレット燃料では,全国でかなりのシェアを誇っている地場企業もあり,全国からそれこそ月に20日ぐらい,20回ぐらい視察が入っておるような現状であります。さらに,ガソリンでのE3の実証実験も行われたところであり,県からの応援も全体的にいただいておるようであります。一層のバイオマスに対する御支援をお願いしたい。そして,県北の一大産業として,火を使って木質バイオが成功するよう,ひとつ一段のお力添えをいただきたいと思います。産業労働部長にお伺いいたします。 最後に,畜産問題についてお伺いいたします。 今,昨今の畜産情勢についても,乳牛界では生乳の計画生産,また,輸入飼料の高騰,米国産牛肉の輸入問題等,大変な時期を迎えております。我が真庭地域では,県下でも林業と畜産は大きな比重があります。真庭管内の農産物の出荷額が108億円,その中で乳牛の占める割合が,乳ですな,28億円と,大変比重が高く,特にジャージー牛の飼育頭数は蒜山を中心に3,200頭と,全国トップクラスであり,全国の約3割を占めています。また,若い後継者も蒜山では次々と育っている現状である中,今,酪農家,肥育農家が一番望んでいることは,輸入飼料の高騰による経営安定のための支援策であります。12月議会でも一般質問でありましたが,他の県の例を見ますと,宮城県では稲のホールクロップサイレージやエコフィード(食物残渣の加工)の利用推進,あるいは群馬県では畜産コントラクターへの支援等,他県にもいろいろな取り組みがあります。今,一番弱っておりますから,酪農家あるいは肥育農家等へのここ一番の一層の具体的な支援が必要とされております。農林水産部長の御所見をお伺いいたします。 以上でございます。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(河本勉君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の浅野議員の質問にお答えいたします。 まず,農業問題についてであります。 米の消費拡大の取り組みでありますが,米の消費が大幅に減少したことが自給率低下の大きな要因でありまして,米の消費拡大が自給率向上のかぎを握っていると考えております。このため,県では,米まつりや高校生の朝ごはんコンテストの開催,小中学校における米飯給食の推進など,さまざまな米の消費拡大に取り組んでおります。近年,パンの製造を可能とする米の製粉技術が開発されまして,米粉パンが注目されているということから,県といたしましても,米粉料理コンテストを開催するなど,今後パンを含めた米粉食品の一層の普及に努めてまいりたいと考えております。また,国民全員が御飯食を週1回ふやせばそれだけで自給率が2%増加するといった,わかりやすい啓発にも努めますなど,米の消費拡大に積極的に取り組み,食料自給率の向上につなげてまいりたいと存じます。 次に,林業振興についてであります。 県民参加の森づくりでありますが,お話のとおり,本県では,美しい森,共生の森の整備など,県民参加による森づくりを着実に進めてきたところでありまして,森林の持つ多面的機能への理解が進み,また,地球温暖化問題への関心が高まる中,本年度の参加者は7,000人を超える見込みとなっております。今後,これらの取り組みに加えまして,本年度創設いたしました地域住民の里山整備を支援する里山ふれあいの森活動事業や,企業が社会貢献活動の一環として取り組む企業との協働の森づくりの拡充を図りまして,これまでの個人やボランティア団体を主体とした取り組みにとどまらず,地域住民団体や企業をも含めました県民全体が自主的に取り組む息の長い森づくり活動へと,一層これを発展させていきたいと思います。 森づくり県民税の新たな活用策でありますが,この税は制度創設時から既存の補助事業の対象となっていない新たな事業に活用するということ,これを基本としております。森林整備は,喫緊の課題である地球温暖化防止対策といたしまして,ぜひとも推進していく必要がありますが,御提案のあった国庫補助の対象となっている森林整備への森づくり県民税の活用につきましては,先ほど申し上げました活用方針もありまして,来年度に行う導入効果の検証,見直しの中で,議会を初め県民の皆様方や有識者等からの御意見をいただきながら検討していきたいと思います。 採算性向上に向けた取り組み等でありますが,本年度から新たに県の支援のもとに,真庭森林組合など3組合が所有者に働きかけして施業の集約化団地化を進め,事業規模の拡大を図ることにより,生産性や収益性を高め,木材の安定供給につなげるモデル的な取り組みを始めておりまして,既に団地化による作業道の開設や間伐などが行われております。来年度は,実施組合の拡大と実施団地数の増加を図ることとしておりまして,こうした取り組みを県内に広く普及させ,林業の採算性の向上と県産木材の安定供給体制づくりを進めてまいりたいと存じます。 木材利用推進の取り組みでありますが,本県ではこれまで県産材を利用いたしました木造住宅に対する助成を行いますとともに,公共施設等におきましては,警察の駐在所を原則木造とするなど,県産材の利用に努めてきたところであります。このたび,さらなる利用拡大を図るため,県産材利用推進指針を策定いたしまして,この中で今後県関係施設の整備に当たりましては,法令等による制限や一定の要件により困難なものを除きまして,2階建て延べ床面積3,000平方メートル以下の施設は,原則として木造化を図るなど,県が率先いたしまして公共施設等へ木材利用を推進していくという,そういう姿勢を明確にしたところであります。今後,市町村に対しましても同様な取り組みが行われますよう働きかけを行いますとともに,民間への木材利用の普及啓発にも積極的に取り組み,県産材の需要拡大を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(河本勉君)  産業労働部長小野隆夫君。   〔 産業労働部長 小野隆夫君 登壇 〕 ◎産業労働部長(小野隆夫君)  お答えいたします。 バイオマス燃料の事業化についてでございますが,木質系バイオマスのエネルギー利用を進めますことは,地球温暖化防止や資源循環型社会の形成に貢献するとともに,新産業の創出による中山間地域の活性化につながる重要な取り組みであると考えておるところでございます。このため,県では,今後原料を安価で安定的に供給するため,未利用の木質系資源等を効率的に収集・保管いたします原料集積基地の整備を進めるなど,バイオマス燃料製造の事業化に向けて積極的に取り組んでまいる所存でございます。 以上であります。 ○副議長(河本勉君)  農林水産部長古矢博通君。   〔 農林水産部長 古矢博通君 登壇 〕 ◎農林水産部長(古矢博通君)  お答えいたします。 まず,農業問題に関しまして,品目横断的経営安定対策の見直し内容等についてでございますが,これまでは認定農業者や集落営農組織のうち,一定規模を備えた経営体が加入対象となっておりましたが,見直し後は市町村が適当と判断した場合は,小規模でも国との協議を経て加入できるよう要件が緩和されたところであります。このほか,収入減少時の補てん金制度が拡充されたことや,交付金の支払い時期の早期化,提出書類の簡素化,用語の変更などが見直しの主な内容となっております。県としては,この見直しを受けまして,国や市町村,団体等と連携して,説明会や個別相談の実施,啓発パンフレットの配布等を通じまして,新制度の周知徹底を図りますとともに,引き続き対象となる経営体の育成を進め,より多くの農業者が加入するよう努めてまいります。 次に,地域における農業指導についてでございますが,県では,農業現場の多様な課題に迅速に対応いたしますために,県内9カ所に農業普及指導センターを設置し,意欲ある担い手と産地の育成を重点に取り組んでいるところでございます。特に,産地育成につきましては,適地適作を基本に,各地域ごとに重点普及品目を定めますとともに,農業試験場等で開発した新技術や新品種の展示圃場を県内約400カ所に設置いたしまして,年間3,000回を超える栽培講習会や日々の巡回指導などを通じまして直接農家と接しながら普及活動を行い,地域の特性を生かした産地づくりに取り組んでいるところでございます。今後とも,市町村,農協等と役割分担しながら一層緊密に連携して,地域に密着したきめ細かな農業指導に努めてまいります。 最後に,酪農家等への支援策についてでございますが,県では,飼料の生産基盤の整備を初め,耕畜連携による稲わらの収集面積の拡大,転作田を活用した稲ホールクロップサイレージの生産,未利用資源である食品副産物の飼料化の検討など,さまざまな増産対策に取り組んでいるところでございます。中でも,稲ホールクロップサイレージにつきましては,現状63ヘクタールの作付面積を来年度100ヘクタールに拡大することを目指しまして,県水田農業推進協議会と一体となってその推進に努めております。 また,生産された飼料につきましても,来年度から一時保管場所の確保や運搬コスト低減を図る支援措置を新たに講じ,円滑な広域流通を促進することで酪農家等が飼料を安価に購入できる仕組みづくりを進めることとしております。飼料増産対策に加え,乳量,乳質を向上させるための飼育環境の改善,公共育成牧場の利用促進対策を講じながら,酪農家等の一層の経営安定に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(河本勉君)  土木部長藤井元生君。   〔 土木部長 藤井元生君 登壇 〕 ◎土木部長(藤井元生君)  お答えいたします。 県内の建築物着工状況等についてでございますが,昨年11月から本年1月までの3カ月間ですべての建築物の着工床面積は,対前年に比べまして県内で7.5%の減,全国では15.1%の減となっております。また,持ち家の着工戸数は,県内で8.5%の増,全国では6.0%の減となっております。県では,これまでに改正された建築基準法を円滑に施行するため,改正の趣旨や厳格化された建築確認手続の周知に鋭意取り組んできたところであり,今後とも住宅着工状況の推移や関連業界の動向を注視しながら建築確認の円滑化に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(河本勉君)  教育長門野八洲雄君。   〔 教育長 門野八洲雄君 登壇 〕 ◎教育長(門野八洲雄君)  お答えいたします。 まず,学校での食育の取り組みについてでありますが,本県では6つの地域を指定し,学校,家庭,地域が連携しながら食の問題と生活リズムを一体のものとしてとらえた,食育から広げる生活リズム向上プランを展開しているところであります。モデル地域の学校では,生徒会が中心となり,みそ汁を中心とした朝ご飯推進運動を展開するとともに,それを町全体の取り組みに広げていこうとしている学校や,地域の協力を得て自分たちが栽培した大豆やソバを使った豆腐づくりやそば打ちの体験学習を行う学校など,創意工夫を凝らした食育に取り組んでいるところであります。また,モデル地域以外でも,栄養改善協議会等と連携し,地元食材を生かしたばらずしづくりなど,地域の実態に応じたさまざまな取り組みが行われているところであります。今後,こうした取り組みを県下の各学校に広め,さらなる食育の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に,学校給食における地場産物活用等についてでありますが,地場産物の活用は,お話のような教育的意義があり,積極的に推進しているところであります。本県では,米,牛乳はすべて県内産を使用しておりまして,米,牛乳を含む地場産物の活用割合は,今年度品目数ベースで41%となり,「新おかやま夢づくりプラン」の目標値40%を達成したところであります。また,市場との連携や流通システムの構築につきましては,農林水産部と連携し,生産者,JA,漁連,学校関係者等が協議し,学校給食への安定した食材の確保のため,関係者の学校給食に対する共通理解と地域の実情に応じたネットワークづくりを進めることとしております。そうしたことから,食育から広げる生活リズム向上プランのモデル地域におきましては,地場産物推進部会を設置し,地元食材の供給を進めているところであります。今後,モデル地域の成果を県内に普及させ,地場産物の安定的な確保に努め,一層の活用を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(河本勉君)  41番景山貢明君。   〔 41番 景山貢明君 登壇 〕 ◆41番(景山貢明君)  公明党の景山貢明でございます。 通告に従いまして一般質問に入らせていただきます。 御承知のとおり,知事は去る28日,4選出馬表明をされました。我が党の代表質問でも既に触れさせていただきましたように,私どもは知事の3期11年余のお取り組みには一定の評価を素直にさせていただいています。ただ,急速に今,県政は閉塞感に陥ってきているという見方もあろうかと思っているんであります。殊に,昨年秋以降のチボリ公園の運営のあり方などを中心に,極めて最近では,私は評価してたんですが,知事らしい観光キャンペーンの,いわゆる打って出る一連のお取り組みがありましたが,その担い手のやり手課長として褒めたたえられた方が,突然,私から見ると余りにも厳しく,早い処分もあったわけでございます。やはりこういう閉塞状況を本当に打ち破っていくためには,知事が何といいますか,従来の発想パターンの殻をさらに破って,もっともっと周りの人々の意見を謙虚に聞いて取り組んでいかれる必要があるのではないかと思う次第であります。これは私だけでなく,議会は無論のこと,結構知事に対する批判が私の耳に入ってくるところであるからでございます。 御承知のとおり,去る2月21日,県議会において全員協議会が開かれました。チボリ公園に関する議論が大詰めを迎え,ジャパン社,県議会双方の意向を確認する必要があるとし,議長が招集し,全会派が了承し,チボリ・ジャパン社の坂口社長,伊原木一衛副会長にお越しいただいたわけであります。この全協は,議会としての見識を示した,私は非常に有意義なものであり,恐らく後世の県議会史に貴重な一ページを刻んだものと思っています。議長の英断なくしてできなかったと,うれしく思っているところであります。そういう点を踏まえて,我が党の代表質問でも,このチボリ問題に触れたわけでありますが,どうも知事のその件に関しての御答弁が,私としては腑に落ちないところがあります。したがいまして,あえてこの際,若干細かくお伺いさせていただきます。 当日の全協では,既に報道でも明らかなように,ジャパン社の坂口社長,そして副会長でいらっしゃる天満屋の伊原木会長,そろって明確に知事や県当局の運営の取り組み方に批判的でありました。明確に不満を表明されました。私ども,少なくとも私は議員として,公のこうした場でのジャパン社の意向が今までの議会において県当局からだけの話とはかなり違ったものとして,新鮮かつ深刻にこの事態を受けとめた次第でございます。無論のこと,昨年秋以降,こういう感じはかなり受けてはいたのですが,それ以前から厳しいものがあったのだろうと推測せざるを得ないのであり,ここで改めて確認の意味も込めて,ジャパン社に対してお伺いしたと同じような思いで,知事に,以下お伺いさせていただきます。 まず,伊原木副会長は,県から重要なことを聞くのは大概が新聞報道を見て知るという状況であった由のお話をされていましたが,本当にその点はどうなのでしょうか。私は,要するに,日ごろのしっかりとした心の通うコミュニケーションがなかったからなのではないかと,こういうふうに思い,お伺いしているわけでございます。お聞かせください。 知事は,伊原木天満屋会長のいわゆる完全民営化でチボリ公園再生のプランをどの時点でお知りになられましたのでしょうか,そしてどのような検討をなされ,どのような御見解を持ち,どのような意思を表明されましたのでしょうか。私は,全協でも申し上げましたが,伊原木会長の郷土岡山を思うわかりやすい,しかも勇気ある御提言であると,率直に今もなお評価しています。 さて次に,私は坂口社長に,クラボウの回答がえらい完璧に拒否回答であって,どうも結論がこういう交渉事にしては早過ぎる由の思いを込めてお伺いしましたら,それはそうなんですとの由の御見解でした。この点,知事はどうお考えでしょうか。私自身の信念に基づいて客観的な物事を踏まえてお伺いしております。 関連してお伺いするのですが,クラボウの社長とは,知事,直接今まで公式・非公式を問わずお会いされて今回の件についてお話されたことはございますか,お聞かせください。 次に,今,チボリの件での県の担当部長,課長などは,大変な過重な仕事となっているのではと推察します。物理的な仕事がどうという意味でなく,心理的精神的に結構厳しいのではと,私は思わざるを得ません。もうちょっと体制を強化されるというか,そういうあたりの思いをお聞かせ願いたいと思います。 次に,ジャパン社と今,日常的に精力的に突っ込んでやりとりをやられているのでしょうか,状況をお聞かせください。 この項の質問は以上でございますが,坂口社長も,言ってみれば大変失礼な言い方かもしれませんが,いわゆるある意味では雇われ社長といいますか,ずっと最初からかかわってませんから。したがって,今後の状況を私なりに予測する際,もう社長としてこういう大変な状況になった,予期せぬ状況になったら,私としても清算するために社長になったわけじゃないんだから,この際,社長をやめさせてもらおうというふうに思っても何ら人間として不思議ではないと思います。県としては,本事業について責任は免れないわけでございますから,社長辞任の場合も,あるいは想定もされなくてはならないと,こういうふうに私は思いますので,私からのこれは意見として申し上げておきます。 次に,北方領土返還要求岡山県民大会に関連してお伺いいたします。 御承知のとおり,先月7日,天神山文化プラザにおきまして,第26回北方領土返還要求岡山県民大会が行われました。私の関係者の方も一般参加されて,その感想などが寄せられましたので,そういう点を踏まえまして触れさせていただきたいと思います。 当日は,県議会議長も来賓あいさつで粘り強い運動でとのお話もあったと承り,結構なことと存じ上げているところであります。申すまでもなく,我が国固有の領土である歯舞群島,色丹島,国後島,択捉島の北方四島の早期返還を実現することは,すべての国民の悲願であります。長い間これまでの外交交渉やその歴史を振り返ってみても,いまだにこの問題が未解決なことは,残念であります。当日は,ユーラシア21研究所の吹浦忠正理事長の「北方領土返還への道」と題する記念講演や,法政大学の山本章嗣さんの北方領土問題学生研究会の活動報告などがあった由であります。いずれにしましても,本件を解決して日本とロシアの両国の関係を抜本的に改善しなくてはならないわけですが,当日の講演でも,現時点では解決の道が見えないとはいえ,粘り強い運動を継続することが必要であるとあったようであります。まことに同感であります。また,北方領土の隣接地域である根室市等においても,いろんな面でかなり疲弊されているやに聞きます。我々としても,いずれか近いうちに激励に行ってこようとは思っております。ともあれ,北方領土問題に関しての知事の総合的な御所見,さらに細かくは岡山県としての知恵を出したお取り組み,例えば,根室市等への何らかの精神的なバックアップとか何か考えられないか,御検討いただければ幸いですが,いかがでしょうか。 次に,ホームヘルパーの役割等についてお伺いいたします。 さきの12月定例会におきまして,我々議会としても,介護保険サービスの現場においては,看護・介護職員の不足及び離職者の増加が深刻な問題となっており,適切な水準の介護報酬の設定を求める意見書案を可決したわけであります。また,岡山県老人保健施設協会さんなどからの陳情などもいただいているところであります。そういう中で,介護保険の今後のあり方にもつながると思いますので,以下お伺いいたします。 いわゆる訪問介護についてお伺いします。 このサービスのかなめは,ホームヘルパーさんの活動であります。このホームヘルパー制度の重要性は,まことに論をまたないわけであります。ホームヘルパーさんの業務の目的でありますが,あくまでも利用者の自立支援と生活の質の向上であり,私はこれからの時代,ますますホームヘルパーの重要性が増大してくると思います。この制度の役割と重要性についてどのようにお考えか,保健福祉部長にお伺いします。 以下,私があえてこの件についてお伺いする思いを,この際,申し添えておきたいと思います。 以前,私の存じ上げている御家庭にホームヘルパーさんが来てくれました。最初は,家の中に入り込んでと,家族や友人からも誤解や偏見を持たれ,それは本当に気の毒でありました。しかし,ホームヘルパーさんの誠意あるお取り組みで誤解なども解け,なくてはならない大変ありがたい存在感を発揮されたわけでございます。私が申し上げたいことは,今なおホームヘルパーさんに対する無認識な誤解や偏見があるとすれば,大変申しわけないことでございます。 そこで,そういう点を解消して,ホームヘルパーさんの重要な役割などについて,さらにはその地位の向上の必要性も含め,広く県民の皆様にPRしていきたいとの思いで,今回触れさせていただいている次第でございます。 次に,沖縄県と地元琉球大学との連携に関してお伺いいたします。 地元県内の各大学との連携も,県政推進にとって極めて重要なことと思われます。このほど,沖縄県と琉球大学では,県内産業の振興に同大学の研究成果を生かすため連携協定を結ばれました。両者の担当者で構成する産業振興連携協議会を発足させ,連携内容について具体的な議論を進めるとのことであります。私どもも近いうちにぜひ同大学などをお伺いして詳しくお話も承る予定にしていますけれども,県との連携は06年度に同大学が沖縄の地域社会に貢献したいと,県の方へ協定締結を打診されたようでございます。そして,この一,二年で両者で協定内容などについて検討されていたようであります。また,県の方でも,沖縄県知事は,観光客1,000万人の達成による観光立県を目指しており,琉球大学の観光分野などの研究を行政の施策に反映させるとのことであります。そのほか,大学のアイデアによるベンチャー企業の創出についての連携や人材育成や新産業の振興など,すばらしいものであります。同大学は,2008年度,観光産業科学部を新設する予定とのことであります。沖縄県としても,同大学の県外観光客のニーズやリピーターについての研究を観光振興につなげる由であります。 以上の点を踏まえ,知事にお伺いしたい点は,1,沖縄県の取り組みについての御感想と,2,地元岡山大学などとのこうした連携などについての御所見をあわせてお聞かせくだされば幸いであります。 次に,大型店やコンビニエンスストアなどのチェーン店に関する課題についてお伺いいたします。 平成18年に,いわゆるまちづくり三法の見直しにより,改正中心市街地活性化法が施行され,今後は地域の特性に応じたまちづくりを進める中で,商店街の活性化を図るという基本的な方向が打ち出されています。そのような流れにあって,いわゆる大型店やチェーン店では,自助努力もされているわけでしょうが,地域の商業やまちづくり,コミュニティー,防災,教育,文化等についての多様な社会的ニーズがあるのではと思うわけであります。時々見かける最近の風景でございますが,若いパパとママが小さい子供たちとハンバーガーを食べながら,子供たちはそこのお店の中にあるミニ滑り台などの遊具で遊び,時を過ごしています。また,大型店では,意外に万引きなどの被害で苦慮されたり,本当に地域にとっての防犯・防災,教育等と重要な役割がますます増大してきているのではと思う次第であります。 このほど埼玉県では,地域商業貢献に関するガイドラインを策定されています。私も県御当局からの御所見を拝聴させてもらいましたが,我が県においても,そのようなことは考えられないか,御所見をお聞かせいただき,まずは第1回目の質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。 ○副議長(河本勉君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  公明党の景山議員の質問にお答えいたします。 倉敷チボリ公園についてであります。 まず,日ごろのコミュニケーションについてのお尋ねをいただきましたが,私といたしましては,坂口社長はもとより,取締役の方々とは取締役会はもちろんのこと,さまざまな機会をとらえて私自身の考えをお話し,意見交換に努めるなど,私なりに努力してきたところでございます。チボリ公園を取り巻く状況は,重大な局面を迎えているところでありまして,今後一層しっかりとしたコミュニケーションを図っていかなければならないものと,このように考えております。 完全民営化による再生プランについてのお尋ねでございます。 大分以前のこととなりますが,11月9日の取締役会で,伊原木副会長から,これは詳細なものではありませんでしたけれども,チボリ・インターナショナル社と提携契約を結び,チボリの名称で完全民営化して公園運営をしてはどうか。ただし,10年間は地代を県や市に援助してほしいと,このような提案がありました。その際,私からは,これまでのチボリ・インターナショナル社との交渉経緯からして,その実現は困難ではないかということや,純粋な民間企業に対しまして地代を支援するということは,これは極めて困難であるということなど,課題があることを述べさせていただきました。実は,その後の取締役会では,伊原木副会長からは,完全民営化の話はございません。お話のプランにつきましては,1月に発刊されました雑誌のインタビュー記事で私自身も初めて承知したところでございます。このプランは,チボリ・インターナショナル社と提携契約を締結いたしまして,チボリの名称で公園を運営することと,クラボウが中核企業となることが大きな前提条件となっていると,このように考えております。完全民営化自体,これを私は否定するものではありませんけれども,チボリ・インターナショナル社に再交渉の意向を確認いたしました結果,相手の考え方は,昨年契約締結を断念したときと変わってはおらず,また,クラボウも中核企業となる意向がないということが確認されたところであります。こうしたことからいたしますと,一つの御提案ではございますけれども,その実現は極めて困難であると考えております。 クラボウの回答等につきまして,結論が早過ぎるとの印象を持たれたとのことでございますが,土地所有者であるクラボウは,チボリ・ジャパン社の大株主でありまして,また,県といたしましても,その都度情報提供や意見交換を行っていたということから,チボリ公園を取り巻く状況につきましては,あらかじめ十分な認識を持っておられたものと考えております。こうしたことから,今回の意向確認につきましても,社内で速やかに検討されまして回答がなされたものと,このように考えております。 また,この件に関しましてでありますが,私といたしましては,直接クラボウの社長とはお話ししておりませんけれども,私の代理といたしまして,島津副知事を派遣いたしまして十分検討していただくようにお願いしたものでございます。 県の体制の強化でありますが,チボリ公園事業は県政の重要課題でありまして,私自身が先頭に立って取り組んでいるところでありますが,職員にとって加重な負担とならないよう適正な配置に努めていかなければならないものと,このように考えております。体制につきましては,適切に判断させていただきたいと存じます。 チボリ・ジャパン社とのやりとりの状況でありますが,同社とは常日ごろから緊密に連絡をとりながら事業の推進に取り組んでいるところであります。前回の取締役会で,3月下旬の次回取締役会までに坂口社長が各取締役とそれぞれ協議して,今後の公園運営案を作成することとなっておりまして,現在,会社においてその案が検討されているところであります。今後,チボリ・ジャパン社から話があれば十分協議,検討を行いますとともに,引き続き緊密に連携をとり合いながら対応してまいりたいと思います。 次に,北方領土問題についてでありますが,我が国固有の領土であるにもかかわらず,戦後60年以上を経た今日においてもその返還が実現されていないということは,まことに遺憾でありまして,国において粘り強い外交交渉が重ねられているところであります。県といたしましては,こうした国の取り組みを支えるため,正しい理解と県民総参加の返還要求運動を粘り強く展開し,世論を盛り上げていくということが重要と考えておりまして,各種団体と連携し,広報誌でのPR,懸垂幕の掲出,パネル展の開催等の広報活動を通じまして,県民への普及啓発に努めているところであります。 また,県も会員であります岡山県北方領土返還要求運動県民会議におきましては,毎年根室市等で行われます現地研修会,ゼミナール,交流集会等に教員,学生,会員等を派遣しているところでありまして,今後ともこうした事業に積極的な参加を呼びかけ,当該地域に住む方々との交流を深めるなど,精神的なバックアップに取り組んでまいりたいと思います。 次に,産業振興に関する大学との連携についてでありますが,沖縄県と琉球大学の連携協定は,同県産業を取り巻く諸条件を適切に踏まえながら,産学官連携による産業振興を進めようとするものでありまして,有意義な取り組みであると考えております。一方,本県におきましては,大学のみならず産業界を含めました産学官連携によりまして産業振興を進めるため,平成15年3月に,岡山・産学官連携推進会議を設立いたしまして,岡山TLOの創設や企業,大学間の相互訪問など,具体的な協働事業を効果的に実践し,着実に成果を上げているところであります。今後とも,こうした取り組みを一層充実強化いたしまして,産学官による連携をさらに実のあるものとしてまいりたいと思います。 最後に,地域商業貢献に関するガイドラインでありますが,大型店等の立地は,地域の商業やまちづくり,雇用やコミュニティーへの影響が大きく,幅広い分野で地域に貢献することが求められております。大型店やチェーン店等の業界団体では,従来から自主的なガイドラインを定めまして,地域貢献に取り組んでおりまして,本県におきましても,大店立地法の手続の中で,地域づくりへの参加等につきまして要請しているところでありますが,大型店等が地域の商業団体等と連携し,まちづくりに貢献することも重要な課題であると,このように考えられますため,今後ガイドラインの策定につきまして研究してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(河本勉君)  保健福祉部長田原克志君。   〔 保健福祉部長 田原克志君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(田原克志君)  お答えいたします。 ホームヘルパーの役割等についてでありますけれども,訪問介護員,いわゆるホームヘルパーは,要介護者等の居宅を訪問して,入浴,排せつといった身体介護,洗濯,掃除といった生活援助など,必要な日常生活の世話を行っており,高齢者の居宅での生活を支える重要な役割を担っているところであります。今後とも,こうしたホームヘルパーの役割や重要性につきまして,県民の理解の促進を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(河本勉君)  41番景山貢明君。   〔 41番 景山貢明君 登壇 〕 ◆41番(景山貢明君)  再質問させていただきます。 知事の今の答弁,大体わかりますですよ,このニュアンスは。どういう状況かが,私は今わかりますね。というのが,私はやっぱし,知事,人は立場立場によって物を言うところがあると思うんです。それで,日常的には僕はチボリに関して,最近は特別委員会に属しております。特別委員会では,当局のお役人から答弁を聞きます。お役人はお役人の立場で一つの物事を報告されると思うんですね。やはり企業家は企業家という立場で,物を言うと思うんです。したがって,同じことを報告とか連絡とかするにしても,いわゆる表現が違っても実態は同じことを言っているんだという場合と,同じ言葉を使ってるんだけれども実態は違っているという場合が大いにあると思うんです。だから,私が申し上げた,よくわかったという点は,知事がよく連携をとってますとか,コミュニケーションを図り,さまざまに私は努力してきたと,こう言われてるんです。それはわかります。それ別に,してきてないなんて言ってんじゃないんです。ただ,私なりにさまざまなコミュニケーションをし,努力してきたと言っても,もう一方がそうではないという言い方をされたんですから,そのすれ違いの思い,この辺のところがどうなのかなということを,私は県民の皆様に明らかにさせていただければという思いなんです。私は,どなたにくみして,どなたにおべっかい使う立場は,さらさらありません。知事には,ありません。 それで,要するに,私が言いたいのは,言うてきましたと,返事もらいました,だめでしたと,そういうふうな場合と,何を言っとるか,もう一回行ってこい,そうじゃないと仕事にならんぞという場合と,いろいろあるということが言いたいんでございます。デンマークの方からこちらを見て,こちらからデンマークを見て,間に例えば蚊取り線香があるとする。あっちから見たら左巻き,こっから見たら右巻きなんです。蚊取り線香に罪はない。右と左は表面は全く正反対なんだけれども,蚊取り線香は蚊取り線香なんです。私は,それが言いたいんです。その辺の意識,それが言いたいんです。それを県民は,わからないから,また,いらいらしたりとか,どうなってんだと,こういうふうに言っとるわけでございまして,そのことを私は申し上げたいんです。適切に連絡をとってます,とりました,言うときました,はい,答弁を終わります。そうでなしに,その辺のところをもう一回丁寧に,私は県民である方々から当選してきとる議員ですから,代表してこうやって物を言ようる。県民の皆さんの代表なんです。皆さん方のもうなんからかんから,わかります,結構やじありがとう。拍手します。私は,いろんな県民の皆さんが納得する,よろしいか,大団円を迎えにゃいかんから,言ようるわけでございます。御答弁をお願い申し上げまして,私の2回目の質問にします。 ○副議長(河本勉君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  再質問にお答えいたします。 先ほども御答弁申し上げましたとおり,取締役会の役員の皆様方には,これまでもチボリ・ジャパン社にかかわります県の方針,考え方を発表あるいは説明する際には,基本的には事前にお会いさせていただきまして,その内容をあらかじめお話させていただいてきているところでございます。蚊取り線香の話がございましたけれども,そういったことにならないように,とにかく同じ方向で理解を深めていくということが,これから先大変大切だと思います。したがいまして,私自身もなお一層コミュニケーションをしっかりと図っていかなければいけない,関係の取締役の皆様方となお一層十分な連携を図っていい方向に,もちろん多くの出資者の皆さんの御理解もぜひいただかなければいけませんが,県民の皆さんが納得していただけるような,そういう方向に,そういう方向でこれから話し合いをさらに進めてまいりたいと,このように考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(河本勉君)  11番小林健伸君。   〔 11番 小林健伸君 登壇 〕 ◆11番(小林健伸君)  自由民主党岡山県議団の小林健伸でございます。 今期3回目の登壇をさせていただきました。 大分時間も過ぎておりますが,最後でございますので,おつき合いいただきますようお願い申し上げます。 それから,傍聴の皆様も大変お待たせいたしました。わざわざありがとうございます。 アジアの経済成長が世界を牽引し,付随して発生した資源高騰のあらしの中に揺れる日本経済,最近の我が国の状況はこのような表現が当てはまると思います。このたびの知事の提案説明の中にも,そうした世界あるいは海外,グローバルという言葉がたくさん出てまいりました。一,二,三と数えましたら19回使われておりました。大変意識しておられるなあというふうに思いました。私の所属する農林水産委員会でも,中国,インドなどが成長することが要因となって穀物やら石油等の争奪戦を起こしていると,そういう中で日本農業の今後を真剣に論議しているところでございます。私は,激動する世界の中で,岡山県が潜在的な力を存分に発揮して,さらなる成長発展を遂げていく取り組みをより深く論議していかなければならないという思いを強くしているところでございます。したがいまして,今回の私の質問は,すべてそうした成長し,繁栄するアジアを見据え,意識した内容でございます。 それでは,通告に従い順次質問させていただきます。 まず,水島港の整備についてであります。 倉敷市選出の諸先輩方がたくさんおられる中を,岡山市の一番東の端から出ております私がなぜ質問するかということなんですが,水島港,そしてこれを取り巻く周辺のインフラこそが,岡山県経済の過半を占める重要なエンジンであります。ここがとまってしまっては岡山県はとまると,このような思いから質問をさせていただきます。 港は,世界に開かれた窓であります。そして,窓を閉ざすようなことのないよう努力を続けなければなりません。我が国有数の取扱貨物量を誇る水島港の整備は,これで十分ということは決してない重要な問題であると考え,平成20年度から開始される予定の水島港玉島地区の多目的国際ターミナル及び臨港道路整備事業について,幾つかのお尋ねをいたします。 総事業費470億円を投じて行われる当事業は,東南アジア航路のコンテナ船の大型化や飼料・肥料貨物の取扱能力の向上を図るための水深12メートルの多目的国際ターミナルと臨港道路の整備ということであります。ところが,ここ14年余りに,日本の港湾の国際競争力がアジアの諸外国との競い合いの中で,無残なほどの地位の後退を強いられてきた現実を見詰めながら考えますと,この計画ではどうも不十分ではないかと思う次第です。日本の港湾が世界のコンテナ輸送の構造変化の中で,ネットワーク拠点から脱落していっている事実について,数字を挙げる時間がございませんので,海運関係者の表現をかりて申し上げます。かつてしきりに言われましたジャパンバッシング──これは日本が突出しているということで,日本たたきという言葉でございますが──の言葉をもじって,今はジャパンパッシングというのだそうです。これは,巨大化したコンテナ船が日本の港には停泊せず,太平洋の沖合を通過して,香港や韓国の釜山に寄港する事実を指す言葉でありますが。さらに,最近でき上がってきています上海洋山港,釜山新港の開港によって,日本海を通過して最短距離の北米航路をとるという船が普通になるというようなことも言われております。日本の主要港は,多く太平洋側に面しておりますから,そうなるとジャパンパッシングの船が沖合を通ることを眺めることすらできなくなると,こういう現実が,今,迫っているわけでございます。水島港に今般整備される予定の水深12メートル岸壁は,東南アジア航路のコンテナ船の現在の主要船型である船長185メートル,2万5,000載可重量トンを対象とするということでございますが,ここ3年から5年の間に新たに竣工したコンテナ船は,こうしたサイズをはるかにしのぐ大型船が主力になっています。最も大きなサイズは,大型のタンカー,VLCC並みの船長が300メートルを超すものでございます。これに対応して,国際物流港湾と言われるところは,すべて岸壁を長く延ばし,岸壁水深では15メートルから16メートルというものを整備していくというのが普通でございます。今後,整備される水島港の水深12メートル岸壁では,少なくとも貨物を満載した大型船の入港は不可能なわけです。さらに,2014年には,現在工事中のパナマ運河の拡幅が完成し,ここを通過する船はこれまで喫水12メートルであったものが一挙に15メートルまで大型化することになります。船長もこれまでのリミットが294メートルから366メートルと大きくなります。パナマ運河のこの百数十年の歴史に残る歴史的大工事も,また,コンテナ船の大型化に対応したものにほかなりません。通称パナマックスと呼ばれる船も大型化した後は,水島港の公共岸壁には入れなくなります。辛口に申し上げれば,当事業計画は過去の就航実績や貨物の動きを追認して,現状での利便性を向上させるにすぎないのではないかと思えるのです。そして,この事業の完成は,平成29年度ということですが,完成のころには港湾の機能としては経済性の低い非常にローカルなマイナーな存在にすぎなくなってしまうのではないかと危惧いたします。 そこで,伺います。 これまで述べてきたような世界の海運動向との関係で,どのようなお考えで今般の整備計画を策定されたのでしょうか。また,水島港の国際的な位置づけを今後どのようにしようとお考えなのでしょうか,あわせてお伺いします。 特定重要港湾水島港について,国際物流港湾としての一層の機能強化が図られるというのが知事の提案説明における表現でありました。特定重要港湾という国の位置づけも理解しますし,予算措置の限界もわかりますが,もう一段高いステージの大型船に対応した機能を整備するお考えはないのでしょうか。周辺に専用埠頭を保有する民間企業からも,沖合の航路しゅんせつの要請があると聞きます。この要請に対し,どういうふうに対処されるのでしょうか,お伺いします。 知事は,3年前の2月議会において,久徳議員の質問に対し,県の総合的な物流戦略について,「全国でもトップクラスの物流基盤が整っている」という答弁をされております。しかし,全国ではトップクラスであっても,こうしたアジアの非常にスケールが大きくなった世界においては,大変劣後しているというのが水島港の現実だと思うわけです。水島港がせめて現在の国際競争力を保持していくためにも,計画の再検討あるいは次期計画を直ちに立案していただきたいと思うのですが,いかがでしょうか。 岡山駅は,「のぞみ」のとまる駅でございます。しかし,利用者が少なくなれば「こだま」しかとまらなくなります。そして,いつまでも「のぞみ」がとまり続ける駅であるという,こういう努力をする必要がございます。同様に,水島港も「のぞみ」のとまる駅のような大型の船が入ってくる港であり続ける,このことが岡山県の経済にも継続的なインパクトを与え続ける,こういうふうに考えるわけでございまして,私もそう願わずにはいられません。 以上,知事の御所見をお伺いいたします。 次は,インバウンドの推進についてであります。 インバウンドという言葉を聞きなれない方もいらっしゃるんで,海外から日本に来る外国人旅行者のことを言います。平成18年12月に,観光立国推進基本法が制定され,本年10月には,国土交通省に久しぶりに新しい観光庁が設立されるなど,インバウンドの拡大に向けて大きな動きが始まっています。2010年には,訪日外国人旅行者を1,000万人にするという計画もございます。開港20周年を迎える岡山空港における外国との定期便は,グアムを除けばすべてアジアの都市間であり,とりわけ中国であります。この現実を踏まえ,中国を中心としたアジアからの観光客を増大させる努力をすることが岡山県の経済発展に直接好影響を与えるものと思います。特に,中国における団体の海外旅行は,2000年に解禁されたばかりですが,年を追うごとにその数は増加しております。渡航先は,香港,マカオを除けば日本が第6位ですが,中国人の海外渡航者数は,2001年には1,213万人,2006年には3,452万人と,5年で3倍弱のスピードであります。また,中国の国家観光局の速報値として,昨年の渡航者数は4,095万人に上るという報道もありました。そして,数年後には1億人を突破して世界最大の旅行大国になるという予測があります。年に1億人も海外旅行するのでございますから,ぜひそのうちの1,000万人ぐらいは日本に来ていただきたい。これだけで国の目標は達成できてしまうほどの数字ですから,大変魅力的でございます。中国を初めアジアの近隣諸国からの旅行者をどのようにして増加させるのか,大きな課題としてとらえておりますが,いかがお考えでしょうか。 観光振興のためには,環境整備が必要となります。外国人から見た日本への観光旅行障壁は幾つかあるのですが,1つは言葉の問題です。昨年5月に,倉敷のホテルが中国人旅行者の宿泊を拒否し,倉敷市がその旅行者に謝罪するという事件がありました。ホテルが拒否した理由が,外国人客は言葉などの面で対応し切れずお断りしているということでした。これは明らかに旅館業法違反であります。業界としての周知徹底と行政による指導が必要と考えます。言葉の問題を解消するには,通訳あるいはガイドの養成あるいはボランティアの募集が急務であると考えますが,いかがでしょうか。 また,外国人観光客が多く訪れる場所には両替所があってしかるべきですが,私は岡山県のどこに行っても両替所を見たことがありません。海外に出ますと,どんな場所にも必ず多くの両替所があります。ところが,日本では東京等も含めましてほとんど皆無に近い。これは外為法の規制緩和が98年だったので,まだ歴史がないという事情でしょうが。銀行は,とにかく窓口が3時で閉まるという,そういう社会でございます。土日もやってません。観光振興の点から,何とかならないものでしょうか。これは,観光に係る環境整備についての御所見を産業労働部長にお伺いします。 また,空港の利便性向上も急務であります。今や世界標準は複数滑走路を有する24時間空港ですが,岡山空港も20周年を契機に世界標準を目指した整備を検討し,複数滑走路は急には無理でしょうから,24時間空港を目指してアジアとの充実した航空路線の整備を行い,観光による航空需要増大の受け皿として,新規路線の開設や既存路線の拡充とあわせて観光客の掘り起こしを行うべきと考えます。岡山空港の24時間運用についていかがお考えでしょうか,御所見をお伺いいたします。 以上のようなハード面に加え,もっと重要なことは,観光資源の開発に力を注ぐことであります。かのシーボルトも絶賛した瀬戸内海の豊かな自然と景観を筆頭に,世界遺産登録に向けて取り組みを進めている津田永忠の遺構群,吉備文化の薫りを今に残す多くの史跡や寺社仏閣など,たくさんのものがあります。また,世界最大級の生産を誇り,欧米の有名アパレルブランドがこぞって採用する高い品質のジーンズなども,岡山の現代の息吹を伝えるものとして広く海外にアピールすべきと思います。これらをきちんと整理し,情報発信することが必要です。県でも,他国の言語で岡山県をPRするためのホームページはありますが,実際には外国の方々に利用しやすい状況ではないように思います。もっと多くの外国の方々に活用されるホームページにすべきと考えますが,産業労働部長の御所見をお伺いいたします。 さらには,道州制を論じる礎となる近隣県の連携にかかわることでございますが,瀬戸内海クルージングを観光ルートとして確立し,瀬戸内海の島の暮らしを国際交流の輪の中に溶け込ませるという試みも重要であろうかと思います。私の地元の犬島でも,この春,国際的な美術館がオープンします。こうした試みにぜひ取り入れていただきたいと思います。このような観光資源の開発が外国人旅行者の誘致につながると思いますがいかがでしょうか,産業労働部長の御所見をお伺いいたします。 最後に,バイオエネルギー資源の開発及び利用促進についてお伺いいたします。 この問題は,これまでも,きょうの質問の中でもいろいろ出てまいりましたが,私も別の角度から質問させていただきます。 最近の原油価格高騰については,原油価格高騰対策本部が立ち上がり,既に農家に対する省エネ機器導入の補助など,具体的な対応策が打ち出されているところでありますが,私は省エネ対策と並行して,代替エネルギーの普及を県内の状況に照らして創意工夫することが時代の要請と考えます。質問冒頭で述べましたように,今般の資源価格上昇の主因は,中国,インドなどアジア諸国の経済成長であり,今後それが相当長い期間とどまることがないと考えているからでございます。原油価格の上昇により,これまで経済性において劣ると見られていたエネルギー資源の価格競争力が向上していることは,アメリカにおけるバイオエタノールの爆発的生産拡大において証左のことであるわけです。我が国においても,バイオ原料の活用が始まっています。例えば,北海道のビート,砂糖大根ですね。沖縄のサトウキビがそれぞれバイオエタノールに加工処理される計画が進捗し,また,大阪では廃棄物からエタノールを精製するプラントが昨年の春から稼働しておるわけでございます。国は,一昨年3月に,バイオマス・ニッポン総合戦略を見直し,この中でエコ燃料の利用促進に関する2010年度の具体的な目標を掲げていますが,その中でとりわけ力説されているのが,広域的収集拠点におけるバイオマス利用であり,具体的には,生ごみ,下水汚泥,し尿・浄化槽汚泥といったものからのエネルギー回収であります。私は,昨年9月議会でも,広域的収集拠点における熱利用の普及拡大を新岡山県ごみ処理広域化計画の中に追加して盛り込み,これまで基礎自治体のコストであったごみ処理をプロフィットに転換していくことを,県主導で早期に実現していくべきではないかと質問いたしました。そのときの知事の答弁は,各自治体の判断にゆだねるというものでございました。県にも各基礎自治体にも,そんな予算がないというような判断もあったかと思います。しかし,当時原油価格は市場の指標価格で1バレル当たり60ドルでございました。きょう現在ですと103ドルを超えておるわけでございます。代替エネルギーの相対的な優位性は,ますますさらに上昇しているわけでございます。まさに時は駆け足です。そして,折しも本年よりいよいよ京都議定書の約束期間がスタートいたします。現在の岡山県内の温室効果ガスの排出量状況からすると,正直に申し上げて,通常の電気節約運動や中小事業所の省エネ診断などで克服できるような水準ではないことは明らかなわけです。私の提唱するこの問題というのは,こうしたジレンマを解消し,従来の清掃工場やし尿処理場などの廃棄物処理施設をバイオマスの広域的な収集拠点と読みかえ,バイオマスを効率的にエネルギーに変換・供給するエネルギーセンターと位置づけて,エネルギー利用に適した廃棄物処理システムへの移行を図っていこうというものでございます。そして,この事業は,先行する事例からいたしますと,国庫補助と民間出資で十分可能であり,県や基礎自治体の財政に与える影響はほとんど少ないものと思われます。むしろ関連産業の設備投資や新規雇用を促進し,自治体の一般廃棄物処理に係るコストも軽減し,地球温暖化も阻止できるという,すべてプラスの効果が想定できるものと思っております。 以上,岡山県のこれらの検討状況も含め,御所見をお伺いいたします。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(河本勉君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の小林議員の質問にお答えいたします。 まず,水島港の整備についてであります。 整備計画等についてでありますが,近年,企業の生産拠点等がアジアにシフトする動きが進んでおりまして,コンテナ貨物はアジアを中心に急増してきております。また,港の背後に立地する企業にとりましては,アジアの港と直接コンテナ貨物を輸出入することによって,物流の効率化やコスト削減が図られるという意味での大きなメリットがあるところであります。水島港においては,外貿コンテナの取扱先が中国,韓国並びに東南アジアであるということから,これら地域との間に就航しておりますコンテナ船の主要船型に対応いたしました水深12メートル岸壁を計画いたしまして,物流機能の強化を図ることとしているところであります。今後とも,水島港につきましては,アジアを中心とした交易や県内産業の国際競争力を支える港湾といたしまして,その機能の強化を図ってまいりたいと存じます。 大型船に対応した整備についてでありますが,北米とアジアの間の基幹航路に就航しているお話の大型コンテナ船の日本での寄港地といたしましては,国では特定重要港湾のうち京浜港など3港をスーパー中枢港湾に指定し,重点的な整備を進めているところであります。一方,水島港では,アジアを中心とした交易を支えるため,中国,韓国,東南アジア向けのコンテナ船等を対象といたしまして岸壁等を整備することとしており,大型船に対応した整備につきましては,今後のコンテナ取扱量の推移等を見守ってまいりたいと存じます。 航路しゅんせつの要請についてでありますが,水島コンビナートに立地する企業から国際競争力を強化する上で物流コストの削減を図る必要があり,タンカー等が企業の専用埠頭に入港するための航路のしゅんせつが必要であるとのお話をお聞きしているところであります。県といたしましては,航路しゅんせつの必要性は理解しているところでありますが,多くの課題がありまして,国や関係機関と事業手法やしゅんせつ土の処分等につきまして研究してまいりたいと存じます。 計画の再検討等についてでありますが,国直轄事業として新規事業化されました新高梁川橋梁や水深12メートル岸壁等の整備が着実に実施されることが,まずは重要であると考えておりまして,事業の円滑な実施に向けまして,関係者一丸となって最大限の協力を行ってまいりたいと存じます。お話の計画の再検討等につきましては,今後のコンテナ取扱量の推移等を見守ってまいりたいと思います。 次に,インバウンドの推進についてであります。 まず,増加策についてでありますが,近年,国のビジット・ジャパン・キャンペーンやビザの緩和,また,好調な経済による所得の拡大等によりまして,アジア地域からの旅行者が増加してきており,本県への旅行者も毎年大幅に伸びてきているところであります。今後,さらなる誘客を推進していくためには,従来行っている現地旅行会社への働きかけはもとより,新たな観光ルートの設定などを行いますとともに,岡山ならではの魅力づくりやおもてなしの機運を高めまして,岡山を訪れる外国人旅行者にリピーターとなっていただけるように努めてまいりたいと存じます。 岡山空港の24時間運用についてでありますが,現在,国際線は4路線あり,路線の拡充等に積極的に取り組む中,北京-大連線が5月から増便され,また,5番目となります香港線が4月下旬に就航予定となるなど,ますます空港の利便性が高まってきているところであります。24時間運用の御提案をいただきましたが,韓国や中国からの便は,飛行時間が短いため,深夜や早朝の空港利用につきましては,航空会社側からこれまで要望が出されておらず,運用時間の大幅な延長ということはCIQを含めました空港の管理コストの増加や騒音問題なども考えられるということから,まずは現行の運用時間の中でインバウンドを含めた利用促進や利便性の一層の向上に鋭意取り組んでまいりたいと存じます。 最後に,バイオエネルギー資源の開発等についてでありますが,御提案いただきました生ごみ,下水汚泥,浄化槽汚泥など,廃棄物系バイオマスをメタンやエタノールなどのエネルギーとして利活用するということは,循環型社会の形成はもとより地球温暖化の防止の観点からも有意義なことであると考えております。このため,県といたしましては,新岡山県ごみ処理広域化計画におきまして,生ごみのメタン化施設導入の試算結果等をお示しいたしますとともに,高効率のバイオエネルギー回収施設の整備にかかわります国の交付金制度を周知するなど,市町村に対する情報提供に努めてきております。今後は,国において来年度から実施する廃棄物系バイオマスのメタン化等の有効利用についての実証実験の結果や,民間事業者の整備動向等につきまして,市町村に対しまして情報提供を行ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(河本勉君)  産業労働部長小野隆夫君。   〔 産業労働部長 小野隆夫君 登壇 〕 ◎産業労働部長(小野隆夫君)  お答えいたします。 インバウンドの推進に関しまして,まず観光に係る環境整備についてでございますが,外国人観光客の今後さらなる増加に対応いたしますためには,受け入れ態勢を整備することが不可欠でありまして,県におきましては,観光関係者を中心に,岡山県外国人観光客受入協議会,こういったものを組織いたしまして,快適な観光をしていただけるよう努めているところでございます。言葉の問題につきましては,この協議会で通訳ボランティア登録制度の導入を検討しておりまして,また,各会員施設におきましても,外国語が話せる職員を率先して採用するなどの対応を行っているところでございます。両替につきましては,主として宿泊施設で対応することとしておりまして,今後ともそうした施設の増加を働きかけてまいりたいと思います。また,最近増加しています中国人旅行者が多く所有しておられ,キャッシュカード機能を有します銀聯(ぎんれん)カードでの支払いが可能な施設の増加を図るなど,さらなる受け入れ態勢の充実に取り組んでまいる所存であります。 次に,活用されるホームページについてでございますが,観光情報を世界に向けて発信いたしますことは,外国人観光客を誘致する上で大変有効な手段であると考えております。県におきましては,英語,韓国語,中国語のホームページを作成し,PRしておるところでございますが,アクセスに課題もありますことから,今後,より利用しやすいものとなりますよう改善に努めますとともに,内容の充実にも一層努力してまいる所存でございます。 最後に,観光ルートの開発についてでありますが,お話の瀬戸内海クルージングにつきましては,穏やかな海と大小の島々が織りなす美しい景観,島独特の暮らしや文化,国際的にも有名な美術館など,多様な観光資源が存在いたしますことから,外国人旅行者にとっても魅力的な観光ルートとなる可能性を秘めており,近隣県と連携いたしまして,その魅力を生かす取り組みを研究してまいる所存でございます。 以上でございます。 ○副議長(河本勉君)  11番小林健伸君。   〔 11番 小林健伸君 登壇 〕 ◆11番(小林健伸君)  答弁ありがとうございました。再質問させていただきます。 くどいんですが,水島の整備の問題でございます。 ただいま答弁の中でも,コンテナの取扱量の今後の推移を見ながら次の計画に踏み込むというようなことでございましたが,私はとにかくこのままだと水島の持つ国際競争力が早晩大きく失われると思って申し上げてます。特に,2014年にはパナマ運河が大きくなるんですよ,これ百数十年ぶりで,要するに北米航路ががらっと変わるということで,この一段とスケールアップするこのタイミングを外して,今の計画が平成29年という10年後でございますんで,そのころには世界の海運の流れが変わった後ということになります。そっからまた追っかけて何かするというのでは,甚だやっぱり後手に後手に回るというふうに思うわけです。これは国との協議もあるわけで,にわかには,答弁を明確な形でというのは求めにくいものだとは思っておりますが,ぜひ今のスーパー中枢港があって,その下に並んでる水島港を重要港という位置づけの中から一段高いステージに上げることによって,岡山県の経済の飛躍があると,このように思っているわけでございます。ぜひその辺の,今のタイミングが大事だということを御認識いただいた上で,知事のいま一歩踏み込んだ御所見をお伺いしたいと思います。 以上でございます。 ○副議長(河本勉君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  再質問にお答えいたします。 もっと踏み込んだ答えをというお尋ねでございますが,先ほど申し上げましたとおり,スーパー中枢港湾,これが実は3港指定されておりまして,先ほど来,御指摘いただいております基幹航路に就航しております大きい船型のほとんどは,スーパー中枢港湾に寄港しているという状況でございます。我が水島港も,コンテナの取り扱い,外貿コンテナの個数ランキング,だんだん上がってきておりましてはいますが,今14位ということなんですね。したがって,もっともっと取扱量がふえて,これがもっと上位にいくということになりますれば,議員御指摘のように,さらに大型の船ということも展望できるかと思いますけども,まずはこのランクづけが上がるように,さらにアジアとの交流と船の増便といったことに力を注いでいき,実績を積みながら今後の推移を適切に把握いたしまして,将来の計画づくり,これに向かっていきたいと,このように考えております。 以上でございます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(河本勉君)  以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △3月5日の議事日程 ○副議長(河本勉君)  明日の議事日程は,午前10時30分開議で,一般質問であります。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(河本勉君)  本日は,これをもって散会いたします。        午後3時56分散会〇 平成20年3月4日(火曜日)出席議員   1番 木下 素典君     2番 一井 暁子君     3番 高原 俊彦君   4番 岡田 幹司君     5番 中塚 周一君     6番 江本 公一君   7番 青野 高陽君     8番 太田 正孝君     9番 谷口 圭三君  10番 池本 敏朗君    11番 小林 健伸君    12番 渡辺 吉幸君  13番 岡本 泰介君    14番 浅野  實君    15番 小倉 弘行君  16番 加藤 浩久君    17番 遠藤 康洋君    18番 横田えつこ君  19番 増川 英一君    20番 森脇 久紀君    21番 赤坂てる子君  23番 三原 誠介君    24番 蜂谷 弘美君    25番 神宝 謙一君  26番 西岡 聖貴君    27番 波多 洋治君    28番 久徳 大輔君  29番 高橋 戒隆君    30番 蓮岡 靖之君    31番 佐藤 真治君  32番 池田 道孝君    33番 井元乾一郎君    34番 伊藤 文夫君  35番 小田 圭一君    36番 福田 通雅君    37番 長瀬 泰志君  38番 住吉 良久君    39番 山田総一郎君    40番 武田 英夫君  41番 景山 貢明君    42番 高橋 英士君    43番 佐古 信五君  44番 鈴木 一茂君    45番 渡辺 英気君    46番 内山  登君  47番 小野 泰弘君    48番 河本  勉君    49番 岡崎  豊君  50番 小田 春人君    53番 古山 泰生君    54番 天野  学君  55番 三村 峰夫君    56番 千田 博通君    57番 森  正人君  58番 戸室 敦雄君         ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~欠席議員  22番 吉田 政司君         ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~出席した事務局職員  事務局長     平松 卓雄         次長       小笠原 均  議事課長     前原 耕二         政務調査室長   倉迫  明  議事課長代理   亀山 節子         議事課長補佐   石川 幸二  議事課主幹    松本 博文         議事課主幹    雲井 博之         ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~説明のため出席した者知事部局  知事       石井 正弘君        副知事      島津 義昭君  副知事      山口 由美君        公営企業管理者  板野 忠司君  政策審議監    西 満寿男君        知事室長     足羽 憲治君  総務部長     堀井  巌君        総務部次長    大森 弘介君  企画振興部長   杉   潔君        生活環境部長   赤田 修司君  保健福祉部長   田原 克志君        産業労働部長   小野 隆夫君  農林水産部長   古矢 博通君        土木部長     藤井 元生君  出納局長     松浦  孝君教育委員会  委員       清田 寂順君        教育長      門野八洲雄君  教育次長     平井 信雄君公安委員会  委員       多胡 幸郎君        警察本部長    塩田  透君  警務部長     庄司 政雄君人事委員会  委員長      村上 行範君        事務局長     原田 光信君監査委員  代表監査委員   石村 道雄君        事務局長     石原 康全君選挙管理委員会  委員       長谷川知子君...